1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07672110
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
窪木 拓男 岡山大学, 歯学部・付属病院, 講師 (00225195)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 敦 岡山大学, 歯学部, 教授 (00066995)
|
Keywords | 軟骨細胞 / 機械的負荷 / 軟骨破壊因子 |
Research Abstract |
【研究方法】 幼若ウサギ(400〜500グラム)の肋軟骨より分離した軟骨細胞を10%牛胎仔血清添加ダルベッコ変法イ-グル法MEM培地(DMEM培地)にて培養した。細胞がconfluentに達した後,フレクサ-セルを用いて軟骨細胞に機械的負荷を加え,炎症性サイトカイン(IL-1,6,8),タンパク質分解酵素(MMR-2,3,9)及びそのインヒビター(TIMP-1,2)の遺伝子発現の経時的変化を観察した。mRNA発現量の変化はRT-PCR法にて行い,その増幅産物の定量はα-32P-dCTPを共存させることにより行った。 【結果・考察】 25Kpa,28.69%elongationという高負荷条件で細胞に負荷を加えた場合,IL-1mRNAの発現量はコントロールに比べ有意に増加しており,負荷6時間後でピークに達し,その後減少していた。IL-6,8に関しては負荷後,コントロールならびに負荷群ともにその発現量はTime Dependentに増加したが,負荷72時間後でコントロールと比較して明らかに増加していた。MMP-9は負荷3時間後で発現量が有意に増加していた。MMP-2,TIMP-1,2についてはコントロールと有意な差は認められなかった。一方,5Kpa,11.27%elongationという低負荷条件で負荷を加えた場合,培養日数が十分長いとMMP-9は負荷3時間後で発現量が有意に増加していた。しかし興味あることに,培養日数が短いとコントロールとの差は認められなかった。MMP-3に関しては,培養日数が短いとその発現は認められないが,長期間培養すると発現が認められるようになった。 以上の結果より,機械的負荷により軟骨細胞における炎症性サイトカインの遺伝子発現は促進されるが,MMPといった基質分解酵素の遺伝子発現の増減には,機械的負荷の多寡だけでなく負荷を受ける細胞の状態特に細胞周囲に存在する基質の量も関与している可能性があることが示唆された。
|