1995 Fiscal Year Annual Research Report
3-メルカプトピルビン酸イオウ転移酵素の生理的機能の解明
Project/Area Number |
07672394
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
石井 一行 明治薬科大学, 薬学部, 講師 (90158741)
|
Keywords | cDNAクローニング / 3-メルカプトピルビン酸イオウ転移酵素 / 発現 |
Research Abstract |
H7年度研究は、34kd分子種のヒト3-メルカプトピルビン酸イオウ転移酵素(3-MST)cDNAクローニング、分子間相互作用の解析及び血球分化と3-MSTの関係に注目しその生理的機能を明確にする目的で以下に示すように検討を行った。1.大腸菌中で31kd分子種の3-MSTを過剰発現させ3-MSTに対するモノクローナル抗体を作製し複数のクローンを得、性格付けを行った結果、同じイオウ転移酵素群のヒトロダネ-ゼと交差反応を示すものを含め異なったエピトープを認識する抗体を得た。今後、3-MST抗体を用い3-MSTの検出を行なう予定である。2.GST融合3-MSTを用い、共沈降法で相互作用する細胞内タンパク質の検出をK562細胞を用い行ったところ、再現性良く相互作用するタンパク質を数種同定したがいずれもその量は極めて少なかった。3.単離した31kd分子種の3-MST cDNAクローン(MS-1.2)をプローブとし用い、まだ単離していなかった34kd 3-MSTcDNAのクローニングをヒト肝臓cDNAライブラリーより行い、34kd 3-MSTcDNAをコードすると思われる2クローン得、塩基配列を決定した。その結果、最長のクローン(MS-1.25)は1340bpでMS-1.2と比較し、5′側の塩基配列が異なっていた。それより予想されるアミノ酸配列は、MS-1.2と比べ20残基長く297残基であった。その特長としてアルギニンが3残基、セリン/スレオニンが5残基含まれ蛋白質リン酸化酵素の認識するモチーフを形成することより、34kd 3-MSTの細胞内で見出される等電点の異なるアイソフォームがリン酸化による可能性を示唆した。4.血球系ガン細胞(K562)を用い分化誘導時の3-MSTの機能を明らかにするため、誘導的に発現能可能なベクターにより3-MSTを発現させたが、発現させたクローンは親株に比べ、40倍 3-MST活性が上昇したにもかかわらず赤芽球分化・増殖に対する影響は観察されなかった。なお、アンチセンス鎖発現において3-MST活性は変動しなかった。
|