1995 Fiscal Year Annual Research Report
ラット虚血-再循環肝障害に対する漢方薬の影響に関する薬理学的研究
Project/Area Number |
07672465
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
山中 康光 大分医科大学, 医学部, 教授 (60033990)
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Keywords | 漢方薬 / 虚血-再循環肝障害 / 脂質過酸化物 |
Research Abstract |
10週齢ラットに小柴胡湯100mg/kgを4日間経口投与し、最終投与1時間後に肝臓の左葉と中葉の虚血を1時間行い、腸管のうっ血を避けるために温存しておいた右葉と尾状葉を切除して、実験的肝障害の病態モデルを作製した。60分間の血液再循環後に血液を採取し、血清のGOT,GPTおよびLDHを測定した。肝ホモジネートより、マロンジアルビテド量を指標として脂質過酸化物量を、またグルタチオン量、チトクロームP-450、チトクロームb_5、NADPHチトクロームC還元酵素活性を測定した。脂質過酸化物量は無処置群6.82±0.54に対し、小柴胡湯処置群5.11±0.15と有意に減少した。しかしながら、グルタチオン量、チトクロームP-450、チトクロームb_5、NADPHチトクロームC還元酵素活性には変化はみられなかった。また、GOT,GPTおよびLDHは肝障害群ではそれぞれ、7368±262、5787±550、9837±4161と非常に高値を示し、小柴胡湯を処置しても有意な防御作用を示さなかった。結論としては肝障害を引き起こすとされる脂質過酸化物生成量は減少したので肝障害防御作用があると考えられるので、より軽症の肝障害を得るべく、15分虚血、60分間再循環の肝障害を作製して現在検討中である。十分なデータがまだ得られていないので何とも言えないが、印象的には防御作用があると思っている。なお大柴胡湯についても検討を開始した。
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