1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680043
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
宇都宮 信子 共立女子大学, 家政学部, 助教授 (40086731)
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Keywords | Modified Proteins / Digestion / Absorption |
Research Abstract |
7年度はグルコースによって修飾されたタンパク質の消化・吸収について検討した。即ち、グルコースによって修飾されたタンパク質(カゼイン、大豆タンパク質および牛血清アルブミン)がin vitroおよびin vivoでどの様な消化過程をたどるかを検討した。 1)修飾タンパク質の調製:グルコースによって修飾されたタンパク質は、主に必須アミノ酸であるリジン、アルギニンおよびトリプトファンが損傷する。本研究に用いた修飾タンパク質はリジンの損傷率を修飾の指標とした。即ち、タンパク質中のリジンを測定し、50%損傷する反応条件下(50℃,RH75%、粉末系で所定時間)で試料を調製した。 2)修飾タンパク質のin vitro消化:1)で調製した修飾タンパク質(カゼイン、大豆タンパク質、牛血清アルブミン(BSA)を用いペプシン-パンクレアチン系消化実験を行なった。これらの酵素消化物について限外濾過による分子量分画を行い、それぞれの画分(未分画、1,000以下、1,000-3,500、3,500以上)の窒素量を測定して、酵素消化物の分子量分布を比較した。また各画分の構成アミノ酸(アミノ酸分析計を用いて)を比較した。15時間までは対照と同程度に遊離アミノ酸を生じるが15時間以降、遊離アミノ酸の生成量が少なくなった。 3)ラット腸管膜消化酵素を用いた消化実験:ラット腸管膜消化酵素による実験では、遊離するアミノ酸生成量は対照>修飾タンパク質>低分子成分生成物の順であった。修飾タンパク質の消化率の低下はその構造変化のためだけではなく、酵素活性を阻害する低分子反応生成物の存在が示唆された。 4)修飾タンパク質のin vivo消化と生体との関係:in vivoでは、Wistar系雄ラット(体重200g)に修飾タンパク質およびその対照をそれぞれ飼料に添加、摂食2時間後の門脈から吸収したアミノ酸の存在量を求め比較、また消化管内容物を採取し、小腸上部および下部の内容物のペプチドパターンをみた。修飾タンパク質を与えた群のラットの消化管内容物と対照とを比べると、量的な差はあるが、ペプチドパターンは殆ど同じであった。
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