1996 Fiscal Year Annual Research Report
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07680043
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Research Institution | KYORITSU WOMEN'S UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宇都宮 信子 共立女子大学, 家政学部食物学科, 助教授 (40086731)
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Keywords | 修飾タンパク質 / カゼイン / 大豆タンパク質 / 牛血清アルブミン / 消化 / 吸収 / メイラード反応 / アマドリ転位生成物 |
Research Abstract |
グルコース(糖)によって修飾されたタンパク質の生理的影響を検討し、以下の結果を得た。 1)修飾タンパク質の消化・吸収:糖修飾タンパク質(カゼイン、大豆タンパク質、牛血清アルブミン)を調製した。未透析性修飾タンパク質(RM)と透析処理した非透析性修飾タンパク質(BC)を試料として、in vitroのpepsin-pancreatin系消化酵素を、20時間作用させた。消化の後半でBCの消化速度が遅くなることがわかった。また、ラット腸管膜消化酵素を用いた実験では、遊離するアミノ酸生成量は対照>BC>RMの順であった。修飾タンパク質の消化率の低下は、その構造変化のためだけではなく、酵素活性を阻害する低分子反応生成物の存在が示唆された。in vivoでは、BC及びその対照をそれぞれ飼料に添加、摂食2時間後の小腸上部及び下部の内容物のペプチドパターンをみた。BC群の消化管内容物は対照群と比べて量的な差はあるが、ペプチドパターンは殆ど同じであった。 2)修飾タンパク質の尿素サイクルへの影響:大豆タンパク質及びカゼインの糖修飾タンパク質を調製し、ラットに与え、経時的に血中および尿・糞中の尿素窒素、クレアチニン、窒素量を測定した。血中の尿素窒素の経時的変動は大きくなく、尿中の尿素窒素及びクレアチニンには差がない。修飾タンパク質は尿素サイクルには影響を及ぼさないと推測された。 3)低分子生成物の生理的影響:カルボニル化合物との反応によりタンパク質が修飾されると同時に、タンパク質の分解が起こり、ペプチド結合が切断され、遊離アミノ酸や二次的にいろいろな低分子成分が生じる。低分子生成物を含んだ修飾タンパク質、アマドリ転位生成物及びAlgと糖との反応物について検討し、これらの反応生成物の低分子画分はラットの腸管吸収の際にアミノ酸の吸収を阻害し、また、アミノ酸の再吸収を阻害する働きがあることが推測された。
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