1996 Fiscal Year Annual Research Report
成人女性の性周期が防衛体力と行動体力に影響する機構の解明
Project/Area Number |
07680088
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森谷 潔 北海道大学, 教育学部, 助教授 (40000939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 功哉 北海道大学, 教育学部, 教授 (50001798)
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Keywords | 成人女性 / 基礎体温 / 防衛体力 / NK細胞活性 / コンピューター作業 / 行動体力 / 女性ホルモン濃度 / 疲労感 |
Research Abstract |
平成8年度は、基礎体温を測定した若い女性(10-20代)6名と中高年の女性(30-40代)6名の2グループに被験者を依頼した。基礎体温と性周期に伴う体内女性ホルモン(エストラジオールとプロゲステロン濃度)環境の変化を測定しながら、防衛体力の指標として血液NK細胞活性を、また行動体力の指標としてコンピューターにデータを入力する作業を行ったときの生理機能(心電図R-R間隔変動係数、フリッカー値など)と疲労感などの気分の変化の程度を測定・評価した。測定は性周期の低温相と高温相の中間の日を目処として、各被験者について2回行った。 基礎体温の周期性変動と血中エストラジオール(E2)とプロゲステロン(P)濃度から判断した高温相と低温相を比べると、P濃度は高温相で有意に低温相より高かった。一方、E2濃度も同様の傾向を示したが、有意差は認められなかった。血液NK細胞活性は、高温相で低温相より有為に高かった。性周期の高温相と低温相に50分間、コンピューターに同一データを同じスピードで入力する作業を行った時の、心電図R-R間隔変動係数(CV_<R-R>)は作業中は高温相と低温相で有意差は認められなかったが、作業後の休憩10分間の回復において高温相の方が低温相より高い値を示し、回復の早いことが示唆された。高温相と低温相のフリッカー値には、コンピューター作業前、作業後、休憩後ともに有意差は認められなかった。従って本実験の結果から、行動体力は性周期の高温相と低温相で差異を持つとは結論しにくいが、高温相が幾分高い傾向であったと考えられる。
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