1996 Fiscal Year Annual Research Report
激運動による酸素ストレスに対する抗酸化ビタミン・加齢の影響に関する研究
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07680155
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Research Institution | NATIONAL INSTITUTE OF HEALTH AND NUTRITION |
Principal Investigator |
樋口 満 国立健康・栄養研究所, 健康増進部, 室長 (20192289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 裕 国立健康, 栄養研究所・健康増進部, 室長 (00136334)
梅垣 敬三 国立健康, 栄養研究所・応用食品部, 室長 (60191920)
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Keywords | ダウンヒルランニング / スイミング / 活性酸素 / 過酸化脂質 / ビタミンC / ビタミンE |
Research Abstract |
激運動によって大量に発生する活性酸素に対する生体防御機能を動物とヒトを対象として研究した。 ヒューマンスタディでは慢性的な激運動が酸素ストレスに及ぼす影響と抗酸化ビタミン摂取による防御効果を検討するために、成人男女水泳選手でトレーニング状況と抗酸化ビタミン摂取量と関連させ、血中のビタミンC, E濃度を測定した。検査は練習期に相当する6、8月、及び調整期である9月の3回行った。食事調査は採血日の直前3日間行った。トレーニング量は8月が最も多く、9月は少なかった。血漿中CPK活性は6,8月に比べて9月では著しく低かった。それぞれの検査時点での1日当たりの抗酸化ビタミン摂取量は、6,8月にはビタミンC:200〜290mg,ビタミンE:7〜12mgの範囲であった。選手がビタミン錠剤を摂取していた9月にはビタミンC:1000mg以上,ビタミンE:200mg以上であった。6,8月とも血漿ビタミンC濃度は1.1mg/dl,ビタミンEは11〜12μg/mlであったが、9月にはビタミンC:1.5mg/dl,ビタミンE:18〜20μg/dlと著しく高くなっていた。これらの結果は激しいトレーニングを行っている時期においても、食事によって必要な抗酸化ビタミンは摂取可能であり、体内ビタミン栄養状態も適正水準に保持されることが示唆された。 アニマルスタディでは動物用トレッドミルを用いラットにダウンヒルランニングと通常のレベルランニングを行なわせた。血中CPK活性はレベルランニングに比べてダウンヒルランニングで有意に高く、ダウンヒルランニングは筋損傷度の高い運動であことが確認された。血漿TBA値は安静時に比べてダウンヒル-,レベル-いずれののランニング群とも著しく高かった。また、ヒラメ筋のTBA値はいずれのランニングによっても有意な上昇が認められ、外側広筋深層のTBA値はダウンヒルランニングにおいてのみ顕著な上昇が認められた。血中ビタミンC, Eの濃度はダウンヒル-、レベル-いずれのランニングにおいても、その直後で安静時とは差が認められなかった。さらに、運動終了48時間後のCPK活性は安静レベルに回復していたが、いずれの抗酸化ビタミンも低値を示した。 本研究によって骨格筋にダメ-ジを与える激運動と考えられるダウンヒルランニングによる骨格筋内での活性酸素の発生亢進と、その損傷修復に抗酸化ビタミンが動員されている可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 梅垣敬三,樋口満: "運動による酸素ストレスがDNAの損傷・修復能に及ぼす影響に関する研究" 体力研究. No.91. 124-132 (1996)
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[Publications] 柳沢香絵,樋口満ら: "一過性水泳運動負荷がラット血漿および組織中の過酸化脂質と抗酸化物質に及ぼす影響" 体力科学. 45,4. 472 (1996)
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[Publications] 長谷川いずみ,樋口満ら: "大学水泳選手のトレーニング中の血中抗酸化ビタミン濃度の変化" 第43回日本栄養改善学会講演集. 175 (1996)