1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680207
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
広瀬 正克 専修大学, 経営学部, 教授 (20083602)
|
Keywords | 大学教育 / サイエンスリテラシー / 科学教育 / 化学教育 / 理科離れ |
Research Abstract |
本研究は、主として非理科系の大学における自然科学教育のあり方に関する研究である。初・中等教育の現場で生徒の理科離れが問題視されるようになってから既に数年があ経過した。当然のことながら、その延長上に存在する大学でも同様の問題が生じている。特にいわゆる文科系の学生の自然科学に対する認識は年々悪化の傾向にある。大学の高学年生であっても、火力発電で何故石油を燃やすのかを正確に理解していない者も少なくない。研究者は、大学生の自然科学離れも勿論重要な問題であると考えているが、さらに重要なことは、学生の勉学の中心が暗記にあることであり、自ら考えることや、考えを組み立てることを嫌う傾向にあることにあると考えている。従って、サイエンスリテラシー教育の第一目標をなるべく学生に考えさせる講義を展開することにおいた。平成7年度の研究者の担当科目は、生命現象を考える化学(2展開)、物質を理解する化学(1展開)、化学商品論(1展開)、教育演習(1展開)、ゼミナールであった。いずれの講義においても、題材を絞り込み、一つの命題に対して多方面からアプローチし、結論を導き出す講義方法をとった。なるべく多くのデーターや例をあたえ、そのデーターから何が考えられ、さらに深く考えるためにはどんなデーターが必要であるか、そのデーターを得るためにはどんなことが必要であるかというような講義の組み立てを行った。一方では、学生に自然化学に興味を覚えさせる教材についての研究を行った。一年間の研究を通じて感じたことは、サイエンスリテラシー教育を大学の段階で行うことはかなり難しい。思考法はなるべく若いうちに固めるの必要があるからである。現在、高校生との接触を検討中である。残念ながら現在の大学では必ずしもサイエンスリテラシー指向の教育が行われていない。大学のカリキュラムも検討が必要であると考えられる。
|