1996 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメディアによる学習者参画型データベースの構築と関心・意欲・態度への効果
Project/Area Number |
07680229
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
下村 勉 三重大学, 教育学部, 教授 (80150217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
織田 揮準 三重大学, 教育学部, 教授 (90024489)
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Keywords | 学習者参画型 / データベース / マルチメディア / 関心・意欲・態度 / 情報教育 |
Research Abstract |
学習者自ら学んだことや創造したことをデータベースに登録・蓄積して、学習成果の共有を図る「学習者参画型データベース」の開発・活用研究において、主な経過と得られた成果は以下の通りである。 1.マルチメディアを用いた学習者参画型データベースの改善・活用方法の検討 教育工学関連授業や公開講座において、「ハイパーカード」を用いてのマルチメディア作品づくりを行った。作品内容は、「伝統文化紹介」、「名所案内」、「生涯学習施設案内」などである。これらの作品を分類し、データベース化を行うとともに改善情報を収集して、改善法を検討した。また、開発したデータベースは、学習の動機づけとして活用するとともに、サーバー上に蓄積しておき、いつでも参照できるようにした。また、制作活動を支援するために、「企画書の作成と発表」、コミュニケーションを円滑にする「大福帳」の導入、「中間発表とコメントのフィードバック」などを取り入れ、その有効性を確認することができた。 2.マルチメディアのデータベースへの参画が学習者の関心・意欲・態度に及ぼす効果の検討 マルチメディア作品づくりに参画した効果を、いくつかの側面から、アンケート調査した。その結果、「関心・意欲の向上」を強く肯定したものが、「知識・理解」や「技術」のそれよりも多いこと、初心者ほどその効果が高いこと、制作活動を体験することがその後の作品評価に影響を及ぼす(評価が高くなる)ことなど興味深い点が明らかになった。 作品制作における計画的な取り組み、グループ制作の支援、「学習者参画型ホームページ作成」への応用などが今後の課題である。
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[Publications] 下村 勉、須曽野仁志: "情報教育としてのマルチメディア作品づくりの実践と評価" 日本教育工学会第11回大会講演論文集. 375-376 (1995)
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[Publications] 下村勉、織田揮準: "マルチメディア作品制作がもたらす関心・意欲等への効果の検討" 日本教育工学会第12回大会講演論文集. 269-270 (1996)
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[Publications] 下村勉、上谷典秀: "World Wide Webにおける学習者参画型ホームページの作成" 電子情報通信学会技術報告. ET96-33. 85-90 (1996)
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[Publications] 須曽野仁志、下村勉: "中学校「情報基礎」における「芭蕉データベース」の作成と活用による情報学習の実践と評価" 日本科学教育学会20周年記念論文集. 313-323 (1996)
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[Publications] 下村 勉: "マルチメディア作品づくりの実践とそれがもたらす関心・意欲等への効果" 三重大学教育実践研究指導センター紀要. 17(予定). (1997)
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[Publications] 木谷康司、下村勉: "マルチメディアを用いた住民参加データベース「伝統文化伝承システム」の構築" 三重大学教育実践研究指導センター紀要. 17(予定). (1997)