1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680288
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐藤 成哉 熊本大学, 教育学部, 助教授 (60109626)
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Keywords | 環境教育 / 水質分析 / 大気汚染 / 酸性雨 / ホテイアオイ / 自浄作用 |
Research Abstract |
《課題I 簡易分析法の開発》 (1)亜硝酸:フィルムケースを用いた簡易分析法を開発し、熊本市内や主要幹線の亜硝酸による汚染の現状図を作成した。本法は、天候(雨や風)の影響を受けやすいが、児童・生徒に大気の汚染度を簡単に認識させることができ、十分授業に活用できることが分かった(実践済み)。 (2)COD:市販のパックテストは高価なため、色調表を用いた安価で簡単な定量(硫酸酸性過マンガン酸)法を確立し、小学校(高学年)及び選択理科の授業に十分活用できることが分かった。 (3)陰イオン界面活性剤:既知のメチレンブルー法に色調表を組み合わせれば、COD法と同様学校現場で利用できることが分かった。 《課題II 水質分析と大気汚染調査》 (1)酸性雨:酸性雨のpHは、地域によりかなり異なる結果が得られた(海岸域はpHが高い)。(例;熊本市(酸性雨降雨確率94%平均4.8最高3.5)天草(平均5.9)八代(平均5.5)) (2)酸性雨と金属の溶出・生育阻害:スチール缶は溶けやすいが、アルミ缶はほとんど溶けなかった。銅と亜鉛は非常に顕著な生育阻害を与えるが、鉄とアルミはほとんど影響しなかった。 《課題III 自然の自浄作用》 (1)ホテイアオイ:多大な生育阻害を与える銅や亜鉛に対しては、顕著な吸着・除去能を示すが、生育に何ら影響しない金属に対しては、ほとんど吸着能を示さなかった。 (2)植物の大気浄化能:葉には大気汚染物質が多量に含まれており、その含量は、木の種類や葉(生・枯)、葉の形状・形態によってかなり異なっていることが分かり、大気汚染の指標として「葉」が利用できるように思われる(本件に関しては継続研究中)。 (3)河川や土壌:河川や土壌にはかなりな緩衝作用があり、多量の疑似酸性雨(pH3)が流入しても中性付近に液性を保つ働きがある。また、溶出した重金属イオンを吸着する働きもあることを明らかにした。
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