1996 Fiscal Year Annual Research Report
喫煙と補導から見た少年の不良行為に関する統計的研究
Project/Area Number |
07680328
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Research Institution | Japan Wamen's College of Physical Education |
Principal Investigator |
小林 敬子 日本女子体育大学, 体育学部, 助教授 (20120785)
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Keywords | 喫煙 / 補導 / 少年 / 不良行為 / 因子分析 / 統計分析 |
Research Abstract |
遊ぶために『お金』が必要となる都会型の生活が増えた現在の社会情勢」の中で、犯罪も種類も多様化、低年齢化していると指摘されている。非行の境界線上にいる少年や少年犯罪のごく初期の状況にいる少年たちの状況を分析する過程で、非行行為の兆候として軽視されがちな未成年の喫煙問題と早期に対処することが、犯罪、触法、ぐ犯等に至る非行を未然に防ぐために重要であるという知見を得た。 「喫煙を含む比較的軽い行為と考えられる「不良行為少年補導」についての補導件数を基に、喫煙行為が他の不良行為の中に占める位置とその相互関係を明らかにすることを試みた。具体的には、「主要な」不良行為を補導件数の推移によって類型化し、時代や不良行為少年の年齢との関連性を明らかにし、この面に資することを目的として研究を進めた。「少年の不良行為の実態分析」「喫煙による補導等から見た少年の不良行為に関する統計的研究」「東京近郊M市における過去10年にわたる少女の補導実態の多変量統計解析」と題して研究成果をまとめた。 特に「喫煙」による補導件数は群を抜いて高く、その他の不良行為のきっかけとなる行為とも考えられることから、「喫煙」に関しては工夫を凝らして充分に指導すべき必要性の高いことが指摘された。そして、存在すれども有名無実と言える「未成年者飲酒喫煙法」について検討する時期にきていると考えた。更に、年齢が上がるにつれて、不良行為の種類が移っていくことが明らかになった。補導による少年の不良行為の特徴を見ると、行為に「お金」が必要になる種類へと移行する時期が、中学から高校へ移る時期であることが明確になった。特に、第1因子として抽出できたものに、物質的な興味である「喫煙」「飲酒」「薬物乱用」があった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小林敬子,笠哲子,岩沢美帆: "少年の不良行為補導の実態分析" SUGI-J'96/IDS Conference'96. 23-34 (1996)
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[Publications] 小林敬子: "東京近郊M市における過去10年間にわたる少女の補導実態の多変量統計解析"