1997 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害者のVDT作業の実態と新しい作業補助装置に関する研究
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07680473
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
大倉 元宏 成蹊大学, 工学部, 教授 (30119341)
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Keywords | 視覚障害者 / 弱視 / VDT作業 / 作業補助装置 |
Research Abstract |
本年度は当該研究の最終年度にあたる。本年度は、昨年度までの研究で提案された弱視コンピュータユーザ用の文書入力支援システムについて実用化に向けた改良を施した。 本支援システムは、二画面一体型表示方式と自動原稿台送り装置から構成されており、文書入力時の作業負担の軽減と作業効率の向上を意図したものである。二画面一体型表示方式とは、WINDOWSOオペレーティングシステムを利用して一つVDT上に二つのウィンドウを開き、一方に拡大読書器画面、他方にワープロ画面を表示させるものである。自動原稿台送り装置は、ペン書きX-Yレコーダを改造したもので、4つのフットボタンスイッチを操作することで、原稿台の移動が可能となっている。また、特定のスイッチのダブルクリックにより、リファレンスポイントヘの高速移動機能も付加されている。2名の弱視コンピュータユーザを被験者として評価実験を行ったところ良好な結果が得られ、実用可能と判断した。 実用化に向けて自動原稿台送り装置を改良した。上記の実験システムではX-Yレコーダを流用したが、重量のある読書材料の搬送ができないという欠点があった。そこで本年度、駆動部にステッピングモータを用いた送り装置を試作した。試作機は、大きさが360×335×82mmで、重量が約8Kgあり、最大5Kgまでの読書材料の搬送が可能である。移動速度はステッピングモータに入力されるパルスの周波数を変えることで可変となる。このパルスは制御用のパソコンから送り込まれる。原稿台はXおよびY方向に約30cm移動可能で,移動限界はセンサーで検出され、その信号はパソコンに伝えられる。通常、原稿台の移動はフットスイッチで行われるが、場合によってはジョイスティックも利用可能である。また、ステッピングモータのブレーキが簡単に解除できるので、随時、手操作による原稿台の移動も可能である。
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Research Products
(2 results)