1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680568
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tsuruoka National College of Technology |
Principal Investigator |
小谷 卓 鶴岡工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (00042359)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 光雄 秋田工業高等専門学校, 校長 (00270207)
|
Keywords | 酸性雨(雪) / エアロゾル / 化学成分分析 / 海塩成分 / 大陸飛来成分 |
Research Abstract |
今年度は、雨水および雪試料は鶴岡市内4ケ所で一雨毎の採水を行った(1995.4.〜1996.1,219試料)。エアロゾルはハイボリュームサンプラーを用いて700l/minの流量で5日間大気を吸引し、石英繊維フィルター上に捕集した(1995.3.〜1996.1,23試料)。これらの試料をpH計、電導度計、イオンメーター、IC、ICPおよびICP-MS等を用いて化学成分を分析した。 その結果、次のような成果が得られた。 1、雨水のpHが5.6以下のいわゆる酸性雨は219試料中に201試料で92%におよんだ。夏場(4月〜9月)の平均値は5.02、冬場(10月〜1月)の平均値は4.69、年間平均は4.89であった。pHは冬場に向かい低下する傾向を示し、雨水および雪の酸性化の原因物質は非海塩硫酸イオン(nss-SO_4^<2->)と硝酸イオンであり、酸性化は両方に起因していると考えられる。また春先には酸性化成分の濃度が高いにもかかわらずpHが低下しないのは、乾燥した田畑からの肥料起源等の[NH_4^+]の増加と、黄砂現象と土壌起源と考えられる[nss-Ca^<2+>]の存在があることがわかった。 2、エアロゾルについては、水溶性の海塩成分元素(Na,K,Ca,Mg等)が冬場になるほど増加する傾向を示したのに対して、不溶性の微量元素はほとんどが春夏に高く、秋冬に低くなる傾向を示した。夏冬にあまり変化のみられない元素はPb,Sr,Mn,Cdの4元素であった。濾紙に補集されたエアロゾルの各元素等の存在順は水溶性成分も含めて以下の順となった。SO_4^<2->>Na^+>Cl^->NO_3^-》NH_4^+>Al>Ca^<2+>>K^+>Mg^<2+>>Fe》Zn>Ti>P>Pb>Cu>Ni>Mn>Ba》Sr>V>Se>Cr>Cd。冬季は土壌や海塩起源以外の発生源からの影響が見られ、大陸飛来の影響があることが裏づけられた。
|