1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07680568
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Research Institution | TSURUOKA NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
小谷 卓 鶴岡工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (00042359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 光雄 鶴岡工業高等専門学校, 校長 (00270207)
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Keywords | 酸性雨(雪) / エアロゾル / 海塩起源成分 / 土壌起源成分 / 酸性化成分 / 中和成分 / 微量金属成分 / 日本海側 |
Research Abstract |
山形県鶴岡市において降水(雪)とエアロゾルを採取し、その化学成分分析を行い、降水とエアロゾルの両面から、日本海側に降る酸性雨(雪)の特徴と原因物質の解明を試みた。 日本海側の特徴として、毎年3月〜6月にかけて黄砂現象がみられ、夏場(7月〜10月)は大陸からの西風もそう強くはなく、冬場(11月〜2月)は季節風の吹き出しの風が強くなり、地吹雪等も発生する。この黄砂期、夏場そして冬場における降水中に含まれる成分にはかなりの違いがみられる。海塩起源のイオン(Na^+,Cl^-,Mg^<2+>,Ca^<2+>,及びK^+)は黄砂期と冬場に高く、夏場は低い。また土壌起源元素(Al,Fe,nss-Ca^<2+>等)は黄砂期に高くなる等である。これらの影響も考慮して酸性雨の原因の解明を行った結果、降水(雪)の酸性化は、酸性化成分(nss-SO_4^<2->とNO_3^-)と中和成分(NH_4^+とnss-Ca^<2+>)の濃度のバランスの度合いによることが明らかとなった。またエアロゾルの分析においても補集される成分の中で一番多いのは非海塩性硫酸イオン(nss-SO_4^<2->)であり、年中高濃度(4.6μg/m^3)で測定される。さらに山形県内陸のレベルと比べても2倍以上であり、西風によって大陸より運ばれてくるnss-SO_4^<2->の実態が明らかとなった。また雨と雪の成分の違いについては海塩成分は雪の方が多く含まれる。また酸性化成分と中和成分は雪の方が少なくなっているがpHが雪の方が低いのは酸性化成分/中和成分の値が雪の方が2倍以上大きいためであることも明らかとなった。さらに微量金属成分(Al,Fe,Pb,Zn等)は、雨や雪の酸性が強くなるほど含有量が大きくなる傾向を示した。さらに風向きにより捕らえられるエアロゾルの成分も異なり、西風の多く吹いた日では東風の日よりもnss-SO_4^<2->が多くなっていること等も明らかとなった。 以上、降水とエアロゾルの相互解析により日本海側に降る酸性雨の実態解明ができたと考えられる。
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Research Products
(2 results)