1995 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児における疑問詞質問に対する応答言語の獲得に関する研究
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07710188
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
井上 雅彦 兵庫教育大学, 学校教育学部(附属障害児教育実践センター), 助手 (20252819)
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Keywords | 自閉症児 / 質問応答 |
Research Abstract |
知的障害児、特に自閉症児においては、複雑な質問に対する応答や文章理解に対するコミュニケーション能力の障害が指摘されている。本研究は、自閉症児を対象にWH型の疑問詞に対する応答行動が可能になるための条件を明らかにすることを目的とし、単語レベルでの命名が可能な6名の対象児について行われた。まず、ある人物が特定場所である対象に対して特定行為を行っている写真(例:AさんがB室でラーメンを食べる:人・もの・場所は既知のものであることを確認済み)を対象児に示し、「誰が食べてるの」、「どこで食べてるの」、「何を食べてるの」の質問をランダムに行い、疑問詞部分に着目して応答が可能か検討された。指導前においては、ほとんどの対象児が「食べてる」等のオウム返しで応答不能であった。音声で訂正する指導と視覚的手がかりによる指導を比較した結果、視覚的手がかりによる指導の有効性が示された。また、2名の対象児については、自らの過去体験についての質問(例:誰とゲームをしましたか)に対する適切な応答も可能となり、指導プログラムの有効性が示された。
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