1995 Fiscal Year Annual Research Report
清末の近代法典編纂とその思想・文化的背景に関する研究
Project/Area Number |
07710250
|
Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
福島 三佳 (喜多 三佳) 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (30224942)
|
Keywords | 清末 / 近代法典 / 沈家本 |
Research Abstract |
清末の近代法典編纂の背後に存在した思想・文化的問題を明らかにすることを目的として研究を開始した。具体的には、「法理派」の代表として沈家本を、「礼教派」の代表として労乃宣を取り上げ、彼らの思想の背景となったものを調べるという方法をとった。 (1)まず、研究状況把握のため、中国の文献を中心として関係のありそうな研究文献を収集・読解した。 (2)この結果、基本的には沈家本の著作権である『沈寄〓先生遺書』、労乃宣の著作集である『桐郷労先生遺書』を読解することとした。また、沈家本については近年作成された年譜があり、多くの研究論文も有るのでそれらもあわせ読むこととした。また、当時の一般的な社会、文化事情を記した文献の収集・読解もこれと並行して行った。 (3)労乃宣については、その後あまり資料が集まらなかったので、参考文献の多い沈家本について先に研究を進めることとした。その成果が、著書欄に挙げた本に収録された、「清末の知識人-沈家本の法思想」という論文である。労乃宣についても研究をまとめ、なるべく早い機会に公表したいと考えている。 (4)今後は、刑法典編纂の際に論争の焦点となった、「孝」と「節」の問題について当時に人びとがどのように考えていたのかについてより明らかにしていこうと考えている。
|
Research Products
(1 results)