1995 Fiscal Year Annual Research Report
ホスピタリティ産業におけるサービス・クオリティの測定に関する研究
Project/Area Number |
07730070
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Research Institution | Asia University |
Principal Investigator |
横山 文人 亜細亜大学, 経営学部, 講師 (60255239)
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Keywords | ホスピタリティ / サービス / クオリティ |
Research Abstract |
本研究はホスピタリティ・ビジネスの核であるサービスについて、実務家の見地から概念構造を把握することを目的とした。そのために、ホスピタリティ・ビジネスに10年以上従事する専門家ならびに実務家を対象にサービスに関する面接調査を1995年6月から12月にかけて実施した。 面接調査の主な結果を以下に報告する。 ・接客の動作には、物理的に用事を足すという手順を説明するマニュアルと店の雰囲気を表現する振る舞いがある。 ・振る舞いは、物理的な動作に相手を満足させる心を表現することで、顧客の心をひきつける。 ホスピタリティ・ビジネスは、営業の方向づけと質を設定して構築される。この時点で、外観、施設、室内装飾、庭園などが決定され、次にサービスのソフトが作られて営業が始められる。 ・施設だけでは、ホテル業は成り立たない。すなわち、接客サービスが施設の表現とマッチングして、はじめてその「ホテルらしさ」が生まれてくる。 以上の調査結果に基づいて検討を加えると、次のような結論が導かれた。 ホスピタリティ・ビジネスにおけるサービスは、1)ハード、2)ソフト、3)人から構成される総体(パッケージ)である。 1)ハードには、施設、設備、従業員のユニフォーム等があり、顧客が視覚的に認識できる要素である。 2)ソフトには、接客の手順、マニュアル、経営方針等があり、顧客からは直接見ることができない要素である。 3)人は、経営者、中間管理職、一般従業員からなるが、特に顧客と直接応対する従業員の振る舞いが重要な要素である。 以上の3つの要素が、ホスピタリティ・ビジネスを提供する企業独特の雰囲気をつくりだす。この雰囲気こそが、サービスであり代価を支払う商品として認識されるのである。ただし、それぞれの要素が相反するものではなく、一つの同質な雰囲気をつくることができるようにマッチングしていなければならない。
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