1995 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー干渉型重力波検出器のアラインメント自動制御
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07740204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川邊 径太 東京大学, 大学院・理学形研究科, 助手 (50262150)
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Keywords | 重力波検出器 / レーザー干渉計 / Fabry-Perot共振器 / アラインメント制御 |
Research Abstract |
干渉計型重力波検出器の必須技術であるアラインメント制御技術を確立することを目的として、Fabry-Perot共振器のアラインメントの自動検出、および自動制御装置を試作した。反射率99.9%の鏡二枚を用いてFabry-Perot共振器を構成し、この共振器の鏡のミスアラインメントをWave-Front-Sensing(Ward法)で検出し、検出信号を打ち消すように制御を行なった。共振器の鏡は、実際に重力波検出器に使用されるものと同様に二枚がそれぞれ独立に二段振り子式の懸架装置で懸架されており、共振器長は65cmである。この共振器に出力40mWのNd: YAGレーザー(波長1.06μm)を入射し、RF変調法を用いて共振器長を検出すると同時にこの変調を利用してWave-Front-Sensingを行なった。共振器長の制御(1自由度)及びアラインメント制御(鏡1枚につき2自由度)は、鏡に接着した磁石にコイルを介して力を加える方式で非接触で行なった。この結果、共振器をレーザー光に共振させながら同時にアラインメント制御を行なう(5自由度の同時制御)ことに成功した。人為的にミスアラインした共振器に制御をかけることによりアラインメントが回復し、入射レーザー光と共振器の結合振幅が最大になることが示された。アラインメントの検出限界は2×10^<-9>rad/√<Hz>が達成されたが、この値は主に入射レーザーのパワーと、鏡面における光パワーの損失(散乱等)に制限されている。この値を現在国立天文台三鷹キャンパスに建設中の300m干渉計に外挿した場合、入射レーザーパワーや光学系の品質の改善を考慮すると、3×10^<-13>rad√Hzの検出限界が見込まれるが、この値は300m干渉計のアラインメントに対する要求(安全係数を1/10とした時におよび10^<-8>rad)を十分に満たすものと考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Kawabe et al: "Demonstration of a recombined Fabry-Perat-Michelson interterometer with Suspended mirrors" APPLED PHYSICS B. 62. 135-138 (1996)
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[Publications] A.Abremovici et al: "Gravitational wave Astrophysics" Particle and Nuclear astrophysics Cosmology in the Next Millenium.(Eds. E. W. Volb and R. D Pessei)(World Scientific). 398-425 (1995)