1995 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ胚における背腹極性形成情報伝達系の分子メカニズムの解析
Project/Area Number |
07740589
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
磯田 和良 理化学研究所, 分子遺伝学研究室, 基礎科学特別研究員 (50261160)
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Keywords | SS結合 / 架橋 / ショウジョウバエ / 極性 / シグナル伝達系 / 分子遺伝学 / 複合体 / 2次元電気泳動 |
Research Abstract |
1.Tube、Pelleタンパク質の生体中に存在する複合体をSS架橋法を用いて検出することを昨年度試みたが、TubeとPelleに対する抗体が、他のタンパク質と反応するために、複合体の同定が行えなかった。この問題を克服するために、今年度は2つの方向からアプローチした。1つは、抗体を精製して特異抗体を得る、あるいは、Tube、Pelleタンパク質の全長ではなく一部分を抗原として用いて抗血清を採る方法。もう一つは、抗体のS/N比が多少悪くても、タンパク質を2次元面に展開することにより、複合体を同定しようという方向である。 2.Tube抗体は、Tube以外に、ショウジョウバエ胚中に存在する3個のタンパク質と強く反応する。Tubeタンパク質の一部を大腸菌中で発現させ、アフィニティーカラムを作って、精製を行ったが、これまでのところTube特異的な抗体は得られていない。Tubeタンパク質の一部を抗原としてウサギを免疫するために、現在、抗原に使う部位を選定中である。 3.Pelle抗体は、大腸菌タンパク質による吸収により、ほぼ特異的な抗体が得られているが、この抗体によっては、まだ、複合体は検出されていない。複合体が微量である場合、更に高感度で検出できるように、より特異的な抗体を得る必要があるので、現在更に精製を行っている。Pelleの一部を抗原として免疫するために、抗原部位としてどこが適当か選定中である。 4.SS架橋法による細胞粗抽出液の処理後に、2次元電気泳動によってタンパク質複合体を展開する方法を、培養細胞を用いて、更に検討中である。複合体はサイズが大きくなるので、ゲルの中に入りにくいなどの問題は残っているが、150kDくらいのタンパク質複合体は、再現性良く検出できるところまで行っている。現在、更に条件を検討中である。 5.Tollは抗体作成のための抗原を調整中である。
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