1995 Fiscal Year Annual Research Report
直接シミュレーションによる非平衡溝乱流の微細構造の研究
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07750193
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻本 公一 大阪大学, 工学部, 助手 (10243180)
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Keywords | Turbulent Shear Flow / Wavy Channel / Oscillating Flow / DNS / Data-base |
Research Abstract |
非平衡溝乱流の微細構造の研究のために直接シミュレーションを実施し,そのデータベースを活用し評価を行った. まず吹き出し・吸い込みを一方の壁面に与えた溝乱流DNSデータベースを用いて縦渦の挙動について調べた.吹き出し・吸い込みのない平板側では縦渦は流れ方向に極めて強い圧力変動を受けながら流下するが,平均的な圧力分布を指標として見たとき縦渦の空間的な配置と圧力分布と対応しない.これはこの流れ場での縦渦の寿命時間に比べ,圧力変動が同じ時間スケールで作用することを示しており,時間平均化された乱流統計量の特性はこの縦渦自身の圧力に対するわずかな応答の違いが累積して表れるものと考えられる.さらに,この流れ場に対し,縦渦の再生・維持機構に関して調べたところ,通常の溝乱流場と同じ機構が確認された.その際,縦渦周辺の渦線構造を可視化することによりそのダイナミクスを検討し,縦渦の生成項の物理的な意味を明らかにした. また,通常の溝乱流の一方の壁面をスパン方向に振動させたとき,振動開始後,振動壁上で乱れが速やかに減衰する.このデータベースを用い,その時系列情報について可視化を行った.その結果,乱れの基本過程は主流方向に軸を持つ縦渦が支配的な役割を持つことを改めて明らかにした.縦渦は通常の溝乱流ではスパン方向の渦を巻き込みながらその維持・発達が行われる.一連の可視化結果から,縦渦に巻きとられた渦糸が壁の移動による強いせん断力により次々とスパン方向に引き延ばされ,渦管構造を持つ縦渦が速やかに渦層に還元されること,このことが縦渦が消失し,乱れが抑制される機構であることを確認した.また,振動壁側では時間とともに乱流場が外力により準層流化することから乱流モデルの検証のための有効なデータベースの取得を行うことが出来た.
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[Publications] Y.Miyake,K.Tsujimoto: "Performance of eddy-viscosity models for a flow with periodic pressure gradient." ICFD CONFERENCE ON NUMERICAL METHODS FOR FLUID DYNAMICS,Univ.of Oxford. 70-78 (1995)
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[Publications] Y.Miyake,K.Tsujimoto: "Regeneration and Self-Sustance of Quasi-Streamwise Vortices." Proc.Int.Symp.Math.Modelling of Turb.Flows,Univ.of Tokyo. 71-78 (1995)
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[Publications] 高橋仁之,三宅裕,辻本公一: "スパン方向に壁面を振動させた溝乱流の直接シミュレーション" 第9回数値流体力学シンポジウム講演論文集. 181-182 (1995)
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[Publications] 三宅裕,辻本公一: "周期的圧力勾配を有する平板間乱流のDNS" 日本機械学会論文集,. 61B. 2401-2408 (1995)
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[Publications] Y.Miyake,K.Tsujimoto: "Direct numerical simulation of a turbulent flow in a channel having periodic pressure gradient." Int.J.Heat and Fluid Flow. 16-5. 1-8 (1995)