1995 Fiscal Year Annual Research Report
頭蓋内圧脈波の格子気体オートマトンによるシミュレーション
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07750278
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 茂樹 沼津工業高等専門学校, 制御情報工学科, 講師 (10196818)
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Keywords | 頭蓋内圧脈波 / セルオートマトン / 格子気体オートマトン |
Research Abstract |
本研究では、頭蓋内圧脈波の発生機構を明らかにすることを目的として,脈波の圧力伝播をセルオートマトンの1種である格子気体オートマトン(Lattice Gas Automaton)によってシミュレートすることを目的としている。 格子気体オートマトンにおける粒子の伝播を,圧力の伝播とみなした格子気体オートマトンモデルを構築した。頭蓋内部は,髄液が満たされている部分および脳実質からなっている。すなわち,頭蓋内部は,非圧縮性流体(髄液)と弾塑性体(脳実質)の2相から成っているとみなすことができる。構築したモデルは,この2つの異なった相における圧力伝播の規則に変化をもたせるために,2重の格子モデルとした。2つの相は,たがいに独立したモデルであるが,その接触面において運動量のやり取りを行う。また脳浮腫などの頭蓋内部の疾患をシミュレートするために,局所的に衝突則を変化させることができるようにした。 その変化,これまでの集中定数化されたモデルによるシミュレーションでは困難であった,頭蓋内部に微視的な変動がシミュレートできるてんで,有用であることがわかった。ただし,一方で,現有のコンピュータでは,計算時間が長くかかる,あまり多くの格子点数を取れないなどの問題点が明らかになった。 今後,動物実験データや臨床データの解析結果との整合をはかり,より精確なシミュレーションモデルとすること,アルゴリズムの工夫によって計算時間を短縮することが必要である。
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