1995 Fiscal Year Annual Research Report
電子顕微鏡下超微細作業のための再注視機能実現手法に関する研究
Project/Area Number |
07750282
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮崎 英樹 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (10262114)
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Keywords | 電子顕微鏡 / 超微細作業 / 再注視 / 画像誘導 / 視覚フィードバック |
Research Abstract |
本研究の目的は,電子顕微鏡下で超微細作業を遂行する際に不可欠の再注視機能を実現するために,階層的画像誘導手法を確立することであった.再注視機能とは,過去に観察したことのある広い作業範囲の中の極微小な領域を,巨大なダイナミックレンジを克服して再び見付け出し,注視する機能である.階層的画像誘導手法とは階層内に記憶された生画像とのマッチングを用いて,注視点を目的地点まで階層的に誘導していく手法ある. 本研究では,その基礎的手法を確立し有効性を確認するために,倍率が高・低の2段階のみの光学顕微鏡下において,再注視機能を実現した.本研究で実現した再注視アルゴリズムは以下のようなものである. (1)顕微鏡画像を観察しながらその画像を記憶するに値すると判断した場合,操作者が記憶を指示する. (2)その画像が既に記憶されている同倍率の画像と重なっていないことを画像マッチングにより調べ,新たに記憶する必要があるかないかを自動判断する. (3)その画像が既に記憶されている,1段階倍率の画像のどれの部分領域(子画像)であるかを調べる.必要であれば新画像も新たに記憶し,すべての記憶画像が親子関係で結ばれ,階層的に記憶されるようにする. (4)操作者はコンピュータ画面上の画像から再び作業したい部分の画像をマウスで指定する. (5)現在の画像と目的画像を画像マッチングにより比較する.共通部分がない場合,倍率を1段階下げ,目的画像の親画像と同様に比較する.共通部分が見つかったら,それが重なるように顕微鏡試料台をシフトする. (6)今度は1段階ずつ倍率を上げながらこの作業を繰り返していくと目的の画像を再注視することができる.実際に,広い範囲の中から前に観察したことのある任意の場所に自動的に戻ることができることを確認した.
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