1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07750344
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
韓 小逸 横浜国立大学, 工学部・電子情報工学科, 助手 (50262415)
|
Keywords | 高温超伝導体 / La_<2-x>Sr_xCuO_4 / 特異な電気伝導特性 / 特異な電気容量特性 / Oホール対モデル |
Research Abstract |
本研究はLa_<2-x>Sr_xCuO_4高温超伝導体の基礎物理特性の研究により、高温酸化物超伝導体FETの構成を目指している。La_<2-x>Sr_xCuO_4高温超伝導体において、低温から室温にわたって、Srドープ量xがほぼ1/4n(nは整数)の場合、抵抗率が激減するの効果がある。この効果はLa_<2-x>Sr_xCuO_4内に特異な電子状態が存在すると指摘される。本研究には、スパッタによりc軸配向La_<2-x>Sr_xCuO_4薄膜を堆積し、Pd/La_<2-x>Sr_xCuO_4/SrTiO_3Pd構造を持つ試料を作製した。Pd/La_<2-x>Sr_xCuO_4/SrTiO_3/Pd系のC-V特性を研究するとき、系の電気容量は同形状のPd/SrTiO_3/Pd系の容量より大きくなり、Srのドープ量xが1/4、1/16のとき急激に上昇する異常な現象をはじめて乾観測した。La_<2-x>Sr_x高温酸化物超伝導体の電気伝導は主としてCuO_2層内で生じ、2次元的な導電性を持つ。Srのドープ量xが0のとき、隣接Cuホールはスピン相互により反平行に並び、反強磁性(AF)的な配列している。一方、La1個をSr個と置換すると、CuO_2層にホール1個が導入される。導入されたホールは通常Oホールと言われる。同一CuO_2層中の二つのOホールが隣接する二つのCuホールとスピンを頻繁に交換しながら、CuO_2層内一定の軌道で周回移動することにより、安定な定常状態に入り、ホール対になる。La_<2-x>Sr_xCuO_4高温酸化物超伝導体内でこの様なホール対が充満しているとき、対全体はCuO_2層の2次元的な内面では無抵抗移動できる。この様な現象は、室温でも生じると予測される。この様なOホール対のモデルで、特異な電気伝導特性と新たに観測された特異な静電容量特性を解釈できる。これらの現象は、La_<2-x>Sr_xCuO_4高温超伝導内に超伝導状態と双対な巨視的量子状態が存在する可能性を示している。この状態が確認されれば、高温酸化物超伝導体FETの構成の他、高温超伝導性の解明に有力な手がかりになると期待される。 本研究の結果はJJAPに公表し、全国専門大会にも4回発表された。
|
Research Products
(1 results)