1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07750776
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉澤 友一 東北大学, 素材工学研究所, 助手 (00200973)
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Keywords | アークプラズマ法 / 超微粒子 / サ-メット / 炭窒化チタン / 焼結 |
Research Abstract |
従来の研究によりアークプラズマ法で炭化チタン、窒化チタン等の数十ナノメートルの粒径を有する超微粉が製造可能であることが確認されている。本年度の研究では、アークプラズマ法による炭窒化チタンの製造とこれを原料とするサ-メット材料を試作することを目的とした。そして、金属チタンを原料とし、窒素とメタンの混合ガスを用いることによって適正な混合比、プラズマ出力条件下で窒化チタンと炭化チタンが固溶した炭窒化チタンが生成することが確認された。適正な混合比は、メタン:窒素が1:30程度であった。また、出発原料にモリブデン-ニッケル-チタン合金を使用することで炭窒化チタンにニッケルと炭化モリブデンが混合した超微粒子を1行程で作製可能となった。この時に生成する超微粒子の比表面積は、60m^2/gと大きく、平均数10nmの粒子であることが確認された。しかし、本系における組成の制御は、極めて困難であることも同時に確認された。そこで、アークプラズマ法によって作製した炭窒化チタン超微粒子に市販のニッケルとモリブデン粉末を添加しサ-メットの製造を試みたことろ、超微粉の酸化のために健全な焼結体が得られなかった。この粉末に還元剤として水素化チタンを添加し、窒素雰囲気中で焼結すると残留気孔のほとんど存在しない健全な材料が得られた。本材料中の炭窒化物粒子は、極めて微細であり、通常のサ-メット材料の1/10以下である0.3μm程度であった。このため、機械的性質に優れ、ビッカー硬度は、従来材を上回る1.8GPa程度の値となった。
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