1995 Fiscal Year Annual Research Report
土壌硝化細菌のアンモニアモノオキシゲナーゼ遺伝子のPCRによる検出
Project/Area Number |
07760065
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
横山 和平 香川大学, 農学部, 助教授 (10230658)
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Keywords | 硝酸化成菌 / アンモニアモノオキシゲナーゼ / amo / PCR / 特異的ブローブ / サザンハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
本研究計画の申請時以降現在までに数種アンモニア酸化菌のアンモニアモノオキシゲナーゼ(AMO)遺伝子(amo)の塩基配列がデータベースに登録されたので、適宜利用した。またこのため、申請書の計画の一部を割愛し、より先に進めた。 N.europaeaATCC25978及びN.multiformis ATCC25196から得たDNAを鋳型として、N.europaeaのアンモニアモノオキシゲナーゼのアミノ酸配列を基に当研究室で設計したオリゴヌクレオチドをプライマーとしてPCRを行った。N.europaeaからの増幅産物についてその大部分の塩基配列を決定したところ、既報のN.europaeaのamoの塩基配列と98%の相同性が得られた。また、N.multiformisからの増幅産物は、サザンハイプリの結果この細菌のamoに特異的なプローブとハイブリダイズした。しかしながら、ここで用いたPCRプライマーでは、N.multiformisではN.europaeaに比べアニーリング温度を10℃下げる必要があり、極めて多量の鋳型DNAを必要とした。このため、更に高感度で特異性の高いプライマーを設計し、Nested PCRを試みた。 プライマーはamoに近縁のpmoを含めて増幅する組み合わせと、その内側のβ-Proteobacteriaのアンモニア酸化菌のamoに特異的な領域を標的としてより厳しい条件で増幅する組み合わせの2組を用いた。その結果、N.europaea及びN.multiformisの両者からフェムトグラムオーダーの鋳型DNA量から増幅産物が得られた。データベースに登録されたamoの塩基配列にみられる両者の増幅産物の差、約20bpはアガロースゲル電気泳動では区別できなかったが、特異的プローブを用いたサザンハイブリによりPCR産物の起源を識別できた。 ここで設計したPCRプライマーを用いて、間接抽出法で得た土壌DNAを鋳型としてNested PCRを行い、amo遺伝子の検出を試みた。供試土壌はイチゴ栽培施設土壌で、アンモニア酸化菌密度は生土1g当たり4×10^4だった。土壌DNAを鋳型としても、純粋培養のN.europaeaDNAからと同じ位置に泳動されるバンドを得た。また、サザンハイブリによりN.europaeaのamoの特異的プローブとハイブリすることを確認した。
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