1995 Fiscal Year Annual Research Report
酵母細胞質性線状プラスミドの核移行とそれに伴うテロメア付着・Ty挿入の解析
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07760106
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
福田 耕才 熊本工業大学, 応用微生物工学科, 助手 (90228908)
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Keywords | linear plasmid / killer plasmid / pGKL plasmid / Ty / migration / cytoplasm / transfer |
Research Abstract |
本研究ではS. cerevisiaeを宿主としてpGKL1に細胞質でのみ発現するLEU2遺伝子(細胞質性マーカー)と、核内でのみ発現するURA3遺伝子(核性マーカー)を挿入した細胞質性プラスミドpCLU1の核移行を解析した。pCLU1が核に移行後、末端蛋白質の代りに宿主のテロメアが付着した線状のpTLU1、またpTLU1にTyが挿入しLEU2遺伝子が発現した3クローン(pTLU1-E1, -E2, -E3)を解析した。 申請時に計画したI-VIIのテーマについて実績を報告する。 I:Tyの挿入位置を塩基配列のレベルで解析した結果、pTLU1-E1, pTLU1-E2,におけるTyの挿入位置は、各々LEU2遺伝子の上流21bp、159bpであった。pTLU1-E3については現在解析中である。II:Tyの挿入位置とLEU2遺伝子発現の促進(1倍体)・抑制(2倍体)を転写レベルで解析した結果、生育速度と転写量は比例関係にあったが、さらに定量的に解析中である。 III:pTLU1におけるテロメア付着部位及びpRLU1タイプの環状プラスミドのJOINT部分を塩基配列レベルで解析するためにクローニングを試みているが立体障害のためかまだ成功していない。IV:pTLU1に挿入したTyの塩基配列を部分的に決定した。V:培養条件、菌株での移行頻度及び移行による構造変化を解析する。用いた炭素源によって移行頻度にかなりの違いが認められ、移行の認められなかった炭素源もあった。また移行頻度は生育速度におおよそ比例しており、2倍体の方が1倍体よりも頻度が高かった。VI:移行の頻度の異なる変異株はまだ得られていない。VI:K. lactis移行の認められない変異株の変異が1遺伝子によるものであるか、優勢であるか否かについて解析中である。 特にVI、VIIの問題は細胞内における核酸の移動が、単なる拡散によるものか、能動的なものであるか否か、能動的どあればどの様な遺伝子が、如何にしてそれを支配しているかを知る手がかりになるものと考え、他の問題とともに興味深く解析していきたい。
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Research Products
(1 results)