1995 Fiscal Year Annual Research Report
アポプロテインC-IIとC-IIIによる鶏脂肪組織リポプロテインリパーゼ反応の制御機構
Project/Area Number |
07760258
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 幹 東北大学, 農学部, 助手 (20250730)
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Keywords | 鶏 / リポプロテインリパーゼ / Apo C-II / Apo C-III / Apo A-I |
Research Abstract |
(1)鶏、ラットおよびヒトの血漿から超遠心で分離したカイロミクロンおびVLDLからMorrisettらの方法によりApoproteinを調製した。分離したApoproteinを6M尿素で可溶化後、分子量1万の限外濾過により得たApo C群をMno Q^Rに供し、0.4MまでのNaCl直鎖グラディントで溶出した。各種動物から調製したいずれの試料も、0.1〜0.2M付近にリポプロテインリパーゼ(LPLase)活性化作用を示すApo C-IIのピークが溶出した。さらに、ヒトでは、Apo C-IIIを含むと考えられる0.25M付近のピーク(Apo C-III画分)にはミルクLPLase阻害活性が確認されたが、ラットのApo C-III画分はラットLPLase活性に殆ど影響せず、鶏Apo C-III画分が鶏LPLase活性を逆に活性化した。 (2)鶏Apo C-IIIの存在の有無を確認するために、逆相カラム(Resource RPC)を用いて鶏Apo C-III画分を分離精製し、N末端分析を行った。逆相カラムではメインピークと多数のマイナ-ピークが検出された。メインピークのN末端アミノ酸配列は鶏Apo A-Iと100%の相同性を示し、Apo A-Iの部分分解物であることが明らかとなった。PMSFなどのProtease阻害剤を添加しても、同物質がメインピークであることから、鶏リポプロテインにはApc C-IIIは存在せず、かわりにApo A-Iの分解物が存在して、しかもApo A-Iの分解物は鶏LPLase活性化作用がある可能性が示唆された。 (3)トリオレインエマルジョンに鶏Apo C-IIおよびApo A-I分解物を30μg/ml添加したところ、鶏LPLaseのVmはいずれも上昇したが、Apo A-I分解物の上昇率はApo C-IIの約1/3であった。 (現在、本結果の投稿を準備中である)
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