1995 Fiscal Year Annual Research Report
肝臓プロテインアルギニンホスファターゼに関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
07770086
|
Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
横井 史章 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (40264155)
|
Keywords | プロテインアルギニンホスファターゼ / 癌抑制遺伝子産物 / 一次構造 |
Research Abstract |
我々の研究室では、独自に精製したホスホアルギニンホスファターゼの基質特異性を研究し、本酵素がペプチド中のホスホアルギニンにも作用するプロテインアルギニンホスファターゼであることを発見した(J.Biochem.1996 印刷中)。当該研究は本酵素をコードするcDNAを単離して、その一次構造を決定することにより酵素の細胞内における機能を推定することを目的として行われた。まず本酵素の部分アミノ酸配列を決定して、これに対応するオリゴヌクレオチドを合成し、^<32>Pで標識してプローブを作成した。ラット肝臓cDNAライブラリーからプラークハイブリダイゼーション法によりcDNAを単離し、これをプラスミドにサブクローニングして、さらにデレーションクローンを作成した。サンガー法によるシークエンス反応を行い、DNAシークエンサーを用いて、塩基配列を決定した。データベースを用いたホモロジーサーチの結果、このcDNAは癌抑制遺伝子産物p53の選択的タンパク質分解系を構成する酵素の遺伝子と相同性の高い塩基配列をもつことがわかった(未発表)。このことは、本酵素が癌抑制遺伝子産物p53の選択的分解制御系に関与していることを示唆している。但し、今回得られたcDNAは、部分アミノ酸配列をもとに単離されたものであるため、このcDNAが本当に本酵素の遺伝子をコードしてるかを確認するために、クローン化したcDNAのリーディングフレームを発現ベクターにサブクローニングして、大腸菌に融合タンパク質として発現させるなどして酵素活性を検出する必要がある。現在この実験を計画している。
|