1995 Fiscal Year Annual Research Report
In situ PCRを用いた病理組織標本におけるウイルスの検出
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07770117
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
徳差 良彦 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00261420)
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Keywords | In situ PCR / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
In situ PCR法は、組織切片上で特定の遺伝子を増幅し、その反応産物を切片上で検出する方法である。我々は、今回の研究において、本来の目的であるヒトの病理組織材料を用いるまえに、基礎的な反応条件を検討するため、ラット肝を用いin situ PCRを行った。 我々は、ラットのアルブミン遺伝子に注目し、アルブミン遺伝子内に欠損のある無アルブミンラットと正常ラットの間でin situ PCRによる遺伝子型の差異の検出を試みた。無アルブミンラットと正常ラット間で遺伝子配列の異なる部分に各々のPCR primerを設定し、in situ PCRを行ったところ、無アルブミンラット・正常ラットそれぞれ固有の配列を認識するprimerでのみ反応が成立し、遺伝子型の差異を鑑別することができた。しかも、アルブミン遺伝子は1細胞あたり1対しか存在しないが、我々の系ではそれに対応する2つのdot状のsignalが切片上で得られ、single copyの遺伝子を検出することが可能と考えられた。さらに、無アルブミンラットの肝臓に正常ラット肝細胞を移植し、移植肝細胞にアルブミンに対する免疫染色とin situ PCRの双方で検出した結果、両者の一致が確認された。 一方、ヒト病理組織標本においては、現在イムノグロブリン遺伝子のprimerを用いて反応条件を検討中であるが、16枚を一度に処理可能とされたin situ PCR用サーマルコントローラの反応条件が、反応装置内のウェルの場所毎に必ずしも一定とはいえないことがわかり、大量検体の処理の段階での問題が現在なお解決されていない。
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Research Products
(1 results)