1995 Fiscal Year Annual Research Report
ウエルシュ菌エンテロトキシン受容体の分子クローニング
Project/Area Number |
07770195
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
片平 じゅん 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (30263312)
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Keywords | ウエルシュ菌 / エンテロトキシン / 受容体 / 発現クローニング |
Research Abstract |
1.エンテロトキシン感受性細胞と非感受性細胞を用いたサブトラクションライブラリーの作成 当初、スクリーニングを容易にするためサブトラクションライブラリーを作成する予定であったが、より多くのクローンを短時間にスクリーニングする方法を開発したので(下記参照)、感受性細胞であるVero細胞より抽出したpolyA RNAよりcDNAを合成し、真核細胞発現用プラスミドpMEsf(-)pyoriへ挿入し、通常のライブラリーを作成した。 2.エンテロトキシン受容体のクローニング 短時間でより多くのクローンをスクリーニングするために、セルソーターを用いたエンテロトキシン受容体発現細胞の検出法の確立を試みた。ビオチン標識エンテロトキシンC末端フラグメント(大腸菌で発現し精製)をプローブとして用い、フィコエリスリン(PE)標識アビジンを用いて、エンテロトキシンC末端フラグメントの数種類の培養細胞表面への結合を検討した。その結果、既報のとおり感受性細胞(Vero細胞、Hela細胞)へのC末端フラグメントの結合がPE標識アビジンの細胞表面への結合による蛍光強度の増加として認められた。一方、非感受性細胞(L929細胞、K562細胞)への結合は認められなかった。以上の結果このスクリーニング法により、上記1.で作成したライブラリーのスクリーニングが可能であることが示唆された。この方法では、約8時間で1000万クローンのスクリーニングが可能である。現在、L929細胞へライブラリーをトランスフェクトし、スクリーニングを行っている。 3.エンテロトキシン受容体の性状の解析 陽性クローンが得られ次第、各クローンの塩基配列の決定、細胞内での局在部位の同定、エンテロトキシンとの結合能の解析等、エンテロトキシン受容体の性状解析を行う予定である。
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