1995 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-1持続感染ラットへの免疫抑制剤投与による成人T細胞白血病モデルの樹立
Project/Area Number |
07770216
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
串田 茂樹 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (30195432)
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Keywords | HTLV-1 / ATL / 免疫抑制剤 / HTLV-1持続感染ラット / HTLV-1持続感染マウス |
Research Abstract |
ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)は、adult T cell leukemia(ATL)の原因ウイルスとして考えられている。ATLの動物モデルの作成のために、免疫抑制状態が、発癌促進の一つの要因であると考え、我々が樹立したHTLV-1持続感染ラットに免疫抑制剤を投与した。未処置の妊娠F344ラットからの子ラットを、1)未処置群 2)免疫抑制剤投与群に分けた。また、HTLV-1産生ヒトT細胞株であるMT-2細胞を妊娠中に投与したラットから生まれた子ラットを、3)HTLV-1投与群 4)HTLV-1と免疫抑制剤投与群に分けた。3)群と4)群は、MT-2細胞を出生後24時間以内、2週齢、5週齢、14週齢、20週齢時に投与した。2)群と4)群には、免疫抑制剤であるシクロスポリンとプレドニゾロンを1匹あたり、それぞれ、8mg/kg/dayと0.5mg/kg/dayとなるように混餌し、11週齢から投与した。21週齢、42週齢で採血し、末梢血単核球を分離した。現在、ラット末梢血単核球中のHTLV-1のプロウイルス量と血清中の抗HTLV-1抗体への、免疫抑制剤の影響を解析中である。 また、遺伝学的な情報が多く解析されており、癌抑制遺伝子ノックアウトマウスが利用できるなど、ATLのモデル動物を作成するのにラットよりも有用と考えられるマウスへのHTLV-1感染も試みた。C3H/HeJとBalb/cの2系統のマウスの末梢血単核球や、脾臓、リンパ節、胸腺などの臓器から検出された。
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