1995 Fiscal Year Annual Research Report
神経線維腫症1型(NF1)におけるNF1遺伝子変異の解析
Project/Area Number |
07770331
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
八田 信朗 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (00263939)
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Keywords | neurofibromatosis 1 / PCR-SSCP / mutation |
Research Abstract |
私どもはneurofibromatosis 1(NF1)患者におけるNF1変異について検討してきた。1995年度の研究目標として、51個のexonすべてについてprimerを作成し、polymerase chain reaction(PCR)-single strand conformation polymorphism (SSCP)法を用いて検討を行ってきた。その結果、exon 31に1個のadenineの挿入を認める症例を見いだした。この症例では、1個のadenineの挿入によりexon 31の下流にstop codonを生じ、不完全な長さのNF1遺伝子産物が存在することが推定された。この変異は、今までに報告のない新しい変異であった。 更に私どもは、intron 31においてadenine→guanineの1塩基置換のある2症例を見いだした。この変異は新たなsplicing acceptor siteを生ずることが推定され、私どもはこの2例のNF1患者の末梢血にEB virusを感染させリンパ芽球株を樹立した。リンパ芽球株からRNAを抽出し、reverse transcriptase (RT)-PCRを行い、その産物をplasmidにsubcloningすることにより塩基配列を決定した。その結果この2例ではintron 31の1塩基置換により新たなsplicing acceptor siteを生じ、4塩基挿入されたmRNAが存在することが明らかとなった。更に変異を持つmRNAの定量を行ったところmutant alleleはwild alleleの約3分の1であり、少量に変異体によってもNF1が発症することが判明した。興味あることにこの変異は欧米において2つの施設より1例ずつ報告されており、intron 31のsplicing変異は人種を越えたhot spotであることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)