1995 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスジェノタイプ別のインターフェロン感受性に対する基礎的検討.
Project/Area Number |
07770397
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
高田 伸夫 東邦大学, 医学部, 助手 (50216660)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / ジェノタイプ / インターフェロンレセプター / 2-5AS |
Research Abstract |
1.インターフェロン(IFN)療法中の2-5AS値の変動に関する再検討. INFを施行したC型慢性肝炎例のうち2-5AS値を経時的に追跡できた49例のついて解析した.効果判定は、厚生省難治性肝炎研究班の判定基準に基づいた.49例のジェノタイプの内訳は、1bが34例(NR 15例,PR 7例,CR 12例)・2aが11例(NR 1例,PR 2例,CR 8例)・2bが2例(いずれもCR)分類不能が2例(いずれもCR)であった.治療前の2-5AS値の検討では、NR群(N=16)で72.6±78.29(pmol/dl以下単位省略)、PR群(N=9)で90.6±95.47、CR群(N=24)で131.5±60.39であり、有意差はなかったが治療効果が上がるにつれて高くなる傾向を示した.これをジェノタイプ別に解析すると、1b例のNR群で76.7±79.17・PR群で85.5±109.09・CR群で99.1±63.55であり、2a例のNR群で10・PR群で108.6±26.09・CR群で73.8±47.47であった.さらに2b例と分類不能例はいずれもCRであったがやはり高値であった.以上より、いずれのジェノタイプにおいてもIFNの効果が上がるにつれて治療前の2-5AS値が高くなる傾向を示し、1b例に比して2a例でその傾向が強くなる傾向がみられたが統計学的には有意ではなかった.次に、IFN開始後の2-5AS値の変動幅について検討すると、治療効果が上がるにつれて変動幅が小さくなる傾向を示し、1a例よりも2a例でその傾向が強く認められたが統計学的には有意ではなかった.今回の検討では、ジェノタイプ別で2-5ASの反応に有意な差はなく、肝細胞のIFNレセプター発現には差がないことが示唆され、ジェノタイプ別のIFN治療効果の差は、2-5AS系以外のIFNレセプターシステムの差によるのか、もしくは2-5AS発現後のシグナル伝達系やウイスルの感受性に差があることが考えられる. 2.IFNレセプター遺伝子(mRNA)検出法ならびに半定量法の開発 既に報告された遺伝子配列を参考にして、肝細胞のIFNレセプター遺伝子の検出をインサイチュハイブリダイゼーション法やPCR法で行ったが検出される、実験方法を再検討中である.
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