1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07770453
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
足立 晶子 鳥取大学, 医学部・附属病院, 助手 (60271045)
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Keywords | アルツハイマー型痴呆 / 髄液 / T細胞活性化 / HLA-DR抗原 |
Research Abstract |
Alzheimer型痴呆患者の髄液T細胞において,T細胞の活性化マーカーとして知られているHLA-DR抗原の発現率を調べることにより,中枢神経内の病的変化における活性化T細胞の関与を検討した.同時に髄液中interleukin-2(IL-2),interleukin-4(IL-4),interleukin-6(IL-6),interferon-γ(INF-γ)濃度を測定し,T細胞のHLA-DR抗原の発現率との関係を調べた.Alzheimer型痴呆患者15例,対照としてその他の神経疾患(免疫性神経疾患,神経変性疾患を除く)患者10例を対象とした.患者髄液より分離した単核球をCD3,CD4,HLA-DRの組み合わせでFITC,PE及びPER-CPで標識した抗ヒトマウスモノクロナール抗体で三重染色を行い,フローサイトメトリーにて解析した.T細胞の活性化率としてHLA-DR^+CD3^+%/CD3^+%及び HLA-DR^+CD4^+/CD4^+%を検討した.髄液中のIL-2,IL-4,IL-6及びINF-γ濃度はELISA法で測定した.髄液中のHLA-DR^+CD3^+%/CD3^+%はAlzheimer型痴呆患者で41±6%と対照群(22±9%)に比べて有意に高値を示した.髄液中のHLA-DR^+CD4^+%/CD4^+%も29±6%と対照群(17±7%)と比べ有意に高値を示した.髄液中サイトカイン濃度はAlzheimer型痴呆患者ではIL-2,INF-γが1例で測定できた以外は全例測定感度以下であり,髄液中全T細胞及びCD4^+T細胞のHLA-DR抗原発現率との関連は認めなかった.Alzheimer型痴呆において髄液中T細胞が活性化されており,中枢神経内の変化にT細胞が関与している可能性が示唆された.
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