1995 Fiscal Year Annual Research Report
神経ベーチェット病患者髄液中に特異的に増多するαβT細胞の機能と病態の解析
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07770481
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
青山 悦子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (90175753)
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Keywords | 神経ベーチェット / αβT細胞 |
Research Abstract |
神経ベーチェット病患者髄液中リンパ球の機能を解析する目的で以下の検討を行った。 1.神経ベーチェット病患者髄液中リンパ球の表面マーカーの検討 神経ベーチェット病12例の髄液より細胞を回収し、PE標識抗CD3抗体、FITC標識抗αβTCR抗体およびFITC標識抗γδTCR抗体で染色を行い、フローサトメトリーにて細胞の表面マーカーを解析した。また同時に患者末梢血リンパ球も同様に解析を行った。髄液中のCD3+γδ+T細胞は平均1.38%、CD3+αβ+T細胞は54.56%であった。特に患者間では病態の活動性に関係なく、αβT細胞優位であった。末梢血リンパ球でCD3+γδ+T細胞は平均5.9%であったが、末梢血でCD3+γδ+T細胞が約16%と高値の症例は、髄液中でも約19%と高値を示した。 2.神経ベーチェット病末梢血顆粒球の表面マーカーの検討 ベーチェット病7例(神経ベーチェット4例)および健常人8例の末梢血顆粒球のCD16(Leullc)(Fcγレセプター)モノクロナール抗体を用いてその陽性率を測定した。ベーチェット病全例が陽性であったが、健常人では2例が陰性であった。一般にCD16(Leullc)は健常人の約50%に陰性であると報告されているが、ベーチェット病全例陽性であることは、顆粒球が病態の活動性に関与されていると考えられていることから、CD16(Leullc)がなんらかの影響を及ぼしている可能性も考えられる。今後は髄液中の顆粒球でCD16(Leullc)陽性率を検討し、さらに病因との関連について検討していく予定である。
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