1995 Fiscal Year Annual Research Report
Dahl食塩感受性高血圧ラットの腎Na排泄能に関わるNOの役割について
Project/Area Number |
07770488
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
小川 裕二 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60240644)
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Keywords | ダール食塩感受性高血圧ラット / Nitric Oxide / 食塩感受性 / 血管反応性 / マグネシウム |
Research Abstract |
【目的】Dahl(ダール)食塩感受性高血圧ラットにおける食塩負荷時の血圧上昇とこれに関わる尿中のNO3含量,腸間膜動脈の薬物反応性を検討し,これに長期Mg経口投与した際の降圧効果ならびに尿中NO3量,血管反応性について検討した. 【対象と方法】5週齢のDahl/Iwai食塩感受性ラットに0.3%(L群)と8%(H群)食塩食で飼育した群に分け,さらにアスパラギン酸Mg投与群と非投与群の4群に分け4週間飼育した. 【結果】 1.高食塩負荷ラットでは血圧の上昇(189±4mmHg)がみられ,Mg投与により有意に低下した(153±3mmHg). 2.尿中のNO3量は血圧の変動と有意な相関を認めず,またMg投与による影響はみられなかった. 3.高食塩負荷により高血圧を発症したラットでは,KCl,5-HTに対する収縮性の亢進とAChに対する内皮依存性弛緩反応の減弱をみた.SNPによる内皮非依存性の弛緩反応には有意な減弱を認めなかった. 4.Mg投与により,KClに対する収縮反応性の亢進が有意に抑制されたが,5-HT,AChに対する反応性には有意な改善はみられなかった. 【結論】以上より,高食塩負荷により血圧上昇がみられたダールラットでは異常血管反応性が認められ,これは一部血圧上昇に寄与するものと考えられた.ただし,尿中のNO3含量からは,血圧や血管反応性の変化を反映する変動は認められなかった.また,Mgの長期経口投与はダール食塩感受性高血圧ラットの血圧上昇を抑制し,とくに血管平滑筋の電位依存性Caチャネルを介した収縮反応性が改善された.現在,食塩非感受性ラットとの比較を検討中である.
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