1995 Fiscal Year Annual Research Report
マグネシウムとヒト血管内皮細胞刺激応答の変化について-遺伝子発現との関連-
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07770525
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小松 須美生 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (90264762)
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Keywords | phospholipase A_2 / PGH_2 synthase / competitive PCR / bradykinin |
Research Abstract |
ヒト血管内皮細胞の培養系を用いて、RIA法によるPGI_2産生量、Fura-2/AMをもちいた細胞質内遊離Ca^<++>濃度、Mag-fura-2/AMによる細胞質内遊離Mg^<++>濃度、BCECF/AMによる細胞内pHを測定した。またヒト血管内皮細胞のmRNAを抽出し、PGI_2産生系に関与するphospholipase A_2(PLA_2)、PGH_2 synthase(PGHS)などの各種遺伝子のmRNAの発現に及ぼす影響を検討します。特にPLA_2、PGH_2 synthase1(PGHS1)などの各種遺伝子のmRNA発現に関しては微量定量が可能なcompetitive PCR法を用いて定量的に測定し、また本測定系に及ぼす細胞質内遊離Ca^<++>濃度、細胞質内遊離Mg^<++>濃度、あるいは細胞内pHの影響について検討するとともに、mRNA発現、受容体刺激との関連において検討した。 以上の測定系におよぼす、thrombin、bradykinin、cyclic AMP、インターロイキン(IL)1αなどの種々の刺激物質の影響、High Density Lipoprotein(HDL)等の脂質の影響、およびangiotensin converting enzyme阻害剤(captopril,enarapril)などの降圧剤の影響について検討した。その結果thrombin、bradykinin、IL1α刺激によりPLA_2およびPGHS1のmRNA発現は亢進するが、亢進する時間はそれぞれの刺激物質によって異なることが判明した。HDL刺激によりPLA_2のmRNA発現は亢進するが、およびPGHS1のmRNA発現は抑制される。 cyclic AMP、およびcaptopril,enaraprilなどのangiotensin converting enzyme阻害剤はPLA_2のmRNA発現は亢進するが、PGHS1のmRNA発現は抑制されることが示されたが、この機序にはCa^<++>あるいは細胞内pHの関与を介さずに生じると考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 中川雅夫: "サイトカインと病態形成、血管内皮細胞とサイトカイン" 医学のあゆみ. 174(14). 1169-1175 (1995)
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[Publications] 加藤一晴: "Endothelin-1のヒト血管内皮細胞を介する血小板凝集効果に関する検討" 京都府立医科大学雑誌. 104(3). 373-391 (1995)
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[Publications] 赤松尚明: "ヒト血管内皮細胞のPGI_2産生に及ぼすCICLETANINEの影響について" 血管. 18(2). 59-64 (1995)
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[Publications] 玉垣俊幸: "血管内皮細胞におよぼす低比重リポ蛋白(LDL)および高比重リポ蛋白(HDL)の影響" 動脈硬化. 22(9.10). 741-748 (1995)