1995 Fiscal Year Annual Research Report
心筋梗塞におけるマトリックスメタロプロティナーゼ活性の変化
Project/Area Number |
07770544
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
森田 雅人 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (00268559)
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Keywords | マトリックスメタロプロティナーゼ / 心筋梗塞 / 左室再構築 |
Research Abstract |
心筋梗塞後の非梗塞部のremodelingにMatrix metalloproteinase (MMP)活性の変化が関与すると考え、心筋梗塞時のMMP活性の変化とそれに対するAngiotensin II (AII)、Tumor necrosis factor (TNF)の影響を検討するため以下の検討を行った。【方法】ラットを用いACE阻害薬投与梗塞群(ACEIMI:n=8)、ヒドララシジ投与梗塞群(HYDMI:n=7)、抗TNF抗体投与梗塞群(TNFMI:n=7)、薬剤非投与梗塞群(NMI:n=8)、非梗塞対群(C:n=8)で検討した。ACE阻害薬はdelaprilを20mg/Kg/day、ヒドララジンは40mg/Kg/dayを梗塞作製前3日より、抗TNF抗体は100μgを梗塞前日に投与した。心筋梗塞は左冠動脈を結紮し作製し、対照群は偽手術を行った。梗塞後24時間に心臓を摘出し、非梗塞部である心室中隔のMMP活性をFITC標準コラーゲンI(CI)を基質としてその分解反応を用い測定した。 【結果】MMP活性(unit/g)はC:0.73±0.09、NMI:0.31±0.03^*#、HYDMI:0.35±0.01^*#、ACEMI:0.58±0.08、TNFMI:0.64±0.01(mean±SE)。^*p<0.05vs.C、#p<0.05vs.TNFMI。またACE阻害薬、抗TNF抗体は正常対照群のMMP活性は変化させなかった。 【考案及び今後の研究予定】今回の結果は心筋梗塞時急性期では、CIを分解するMMP活性は低下しており、ACE阻害薬、抗TNF抗体はその変化を抑制した。このことは心筋梗塞時に上昇するとされるAII、TNFが心筋梗塞時のMMP活性の変化の一因と考えられる。しかしながら以前の報告ではAII、TNFはコラーゲンの分解、生成に相反する作用を持つことが知られており、さらに検討をすすめる必要がある。また現在、心筋梗塞後のremodelingとMMP活性の変化の関係を実験検討中である。
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