1995 Fiscal Year Annual Research Report
異なる強度の運動における降圧機序としての内因性ウアバイン様物質の比較
Project/Area Number |
07770550
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
古賀 学 福岡大学, 医学部, 助手 (10271438)
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Keywords | 本態性高血圧症 / 運動療法 / 内因性ウアバイン / 運動処方 / 運動強度 |
Research Abstract |
WHO分類のI,II期の本態性高血圧症患者に運動を行わせた。20名を無作為に50%強度群9名(以下50%群)と75%強度群11名(同75%群)に分けた。運動前の両群の身長,体重,血圧(50%群154±2/94±4,75%群153±5/99±3mmHg)および脈拍数(50%群80±5,75%群77±3/分)に有意差はなかった。50%群の収縮期圧は4,9,10週後に有意に低下し,10週後143±3/91±3mmHgとなった。拡張期圧は有意に変化しなかった。75%群の血圧は有意に変化しなかった。脈拍数は両群とも有意に変化しなかった。内因性ウアバイン様物質(EOLS)はenzyme immunoassayで測定した。運動前値は50%群0.052±0.012,75%群0.040±0.011nMで前値に有意差はなかった。10週後50%群のEOLSは0.032±0.005nMと低下傾向(p=0.07)を認め,log変換後のEOLSの変化量は収縮期圧の変化量と正相関した(r=0.717,p<0.05)。75%群のEOLSは変化しなかった。血中電解質,レニン活性,アルドステロン,尿中ナトリウム排泄量,心係数,循環血漿量,総末梢血管抵抗は両群ともに有意に変化しなかった。以上の結果より,軽い強度の運動療法では有意な降圧を認めたが,中等度の強度では認められず,降圧効果が運動強度に影響される可能性が示唆された。また50%群のEOLSは有意には至らなかったが低下傾向であり,降圧度との相関も認めた。しかし75%群ではこれらの変化や相関は認められず,EOLSと血圧に運動が及ぼす影響は運動強度によって異なる可能性が示唆された。従って軽い強度の運動のみで有意な降圧を認めたこと,およびEOLSと血圧に及ぼす影響から,降圧療法には軽い強度の運動の方が望ましいと考えられた。
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