1995 Fiscal Year Annual Research Report
ベンゾジアゼピン系薬物の耐性発現機序とその予防に関する研究-モデルマウスを用いて-
Project/Area Number |
07770571
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 保宏 大阪大学, 医学部, 助手 (40263256)
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Keywords | ベンゾジアゼピン / 耐性 / マウス |
Research Abstract |
1 Benzodiazepine(BZP)耐性モデルマウスの作製 ICRマウス(30-35g)にニトラパム(NZP,0.6mg/kg)を1日2回、連日(0、0.5、1、3、5日)腹腔内注射し、PTZ(150mg/kg)誘発けいれん率を指標としてNZPの耐性発現を検討した。この結果、NZP投与開始1日目よりBZP耐性の発現を認めた。 2 他の抗てんかん薬併用によるBZP耐性発現の予防 マウスにNZPと同時に他の抗てんかん薬を併用することによりBZP耐性発現がどのように影響を受けるかについて検討した。併用抗てんかん薬として、カルパマゼピン(CBZ)、ラモトリギン(LTG)、ビガバトリン(GVG)、ゾニサミド(ZNS)、フルナリジンを現在まで検討した。NZPと同時にフルナリジン(Ca拮抗剤、1回10mg/kg)を併用することによりPTZによるけいれん誘発率(4/21)がNZP単独投与したマウス(12/22)と比較して有意に低かった。このことはNZP+フルナリジン併用によりBZP耐性の発現が回避されたことを示唆する。なお、CBZ、LTG、GVG、ZNSはBZP耐性発現には影響しなかった。 3 Cl^-チャンネルおよび末梢性BZPレセプターの測定 NZP単独、NZP+フルナリジン併用マウスの大脳皮質より調整された膜小胞を用いて^<36>Cl^-influxの変化を測定し、フルナリジン併用によるBZP耐性予防に関して神経薬理学的にも現在検討中である。また、Ca拮抗剤は末梢性BZPレセプターに作用する可能性であり、今後末梢性BZPレセプターも測定予定である。
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