1995 Fiscal Year Annual Research Report
新生児、乳児期肝炎におけるサイトメガロウイルスの研究
Project/Area Number |
07770626
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
中嶋 英輔 久留米大学, 医学部, 助手 (50258448)
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Keywords | 新生児肝炎 / 乳児期肝炎 / サイトメガロウイルス |
Research Abstract |
1.検体の採取:平成7年度に肝機能異常を主訴に当科外来を受診した乳幼児から材料となる血液(血清、リンパ球)、尿、などの検体を採取。採取できた試料数はのべ185検体であった。 2.血清抗体法によるサイトメガロウイルス(CMW)感染の証明:上記対象中血清抗体法を用いて感染の有無の検索を実施したのは総数37名であった。その内特異的CMW抗体価(IgM,またはIgG)の上昇からCMW感染を証明できた症例は37例中9例(先天性CMW感染1例を含む)(24%)であった。 3. PCRを用いた各試料からのCMW-DNA検出:各試料中のCMW-DNA検出について定性検出に関してShibata Dらの方法に理論的改変を加えた設定にて実施。今回設定した条件下においてCMW感染が明らかな症例の試料(尿)からのCMW-DNA検出について検証し、良好な結果を得た。これに基づき肝機能異常の乳児症例でのCMW-DNA検出を順次実施した。平成8年1月現在、PCRを実施した検体の種別総数、およびCMW-DNA陽性結果を以下に示す。尿;実施30例中陽性が10例(33%)、リンパ球;4例中1例(25%)、髄液;3例中0例、肝組織;2例中0例であった。特異的CMW抗体価陽性症例9例中における検体種別CMW-DNAの検出実施例数および陽性率の結果はそれぞれ次の通り。尿;8例についてのCMW-DNA検出を実施し、陽性4例(50%)、以下同様にリンパ球;4例中1例(25%)、髄液;3例中0例、肝組織;2例中0例であった。 総検体数が予測より大規模となり、各試料中のCMW-DNAの検出が現時点で中途のため、乳児期肝炎に占めるCMW感染の割合や、何れの試料中での検索が診断に有用か、最終的な結論は未だ得られていない。
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