1995 Fiscal Year Annual Research Report
好酸球膜表面上のセレクチンリガンドの単離とクローニング
Project/Area Number |
07770650
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 貴浩 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30235361)
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Keywords | 好酸球 / Lex / sLex / ECP |
Research Abstract |
特発性好酸球増多症患者(HES)の末梢好酸球はその膜表面に健常人に比して高いレベルのLewisX(Lex)及びsialy1-LewisX(sLex)分子を発現しており、今年度はこれらのmoleculesの機能について検討した。 1.Eosinophil cationic protein(ECP)分泌へ与える影響 LexおよびsLexに対するモノクローナル抗体であるEON4及びCSLEX1と、さらにこの反応系にSephadex-C3b(SC3b)を添加したところ、これらの抗体はSC3bによって誘導されたECP分泌を強く増強した。 2.Eosinophil peroxidase(EPO)分泌へ与える影響 上記と同様にして、好酸球とEDN4またはCSLEX1をインキュベートしたがEPOの分泌は観察されず、SC3bを同時に添加しても変化はみられなかった。一方、好中球のmyeloperoxidaseb(MPO)分泌に対するこれらの抗体の影響を検討したところ、SC3bによって誘導されたMPO分泌はEON4やCSLEX1の添加によって抑制された。 Respiratory burstへ与える影響 好酸球においては、SC3bによって誘導されるれrespiratory burstはEON4,CSLEX1いずれの抗体の添加によっても影響を受けなかった。一方、好中球においては著明に抑制された。 このように好酸球と血小板や血管内皮細胞との可逆性接着に関与するといわれるLexやsLexといった糖鎖によって修飾された好酸球上のmoleculesの一部はECPの分泌にも深く関わっており、好酸球による臓器障害が発生するに至るステップを解明していくうえで興味深い知見であると思われた。
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