1995 Fiscal Year Annual Research Report
ポジトロンCTによる冬眠心筋の微小循環動態、糖代謝の定量的解析
Project/Area Number |
07770751
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小田 洋平 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (30254345)
|
Keywords | ポジトロンCT / 冬眠心筋 / 心筋糖代謝 / 心筋血流 |
Research Abstract |
【研究の目的】 1.心機能低下を認める虚血性心疾患例でポジトロンCT(PET)を用いて、心筋血流量(MBF),水が還流可能な組織残存率(PTF),心筋血流予備能(MPR),心筋糖代謝率(MMRglc)を定量測定し、心筋viability保持機構と考えられる冬眠心筋の成立機序、維持機構を微小循環動態や糖代謝の側面から明らかにする。 2.大規模臨床試験で有用性が報告されているβ遮断剤やアンジオテンシン変換酵素阻害剤を用いて長期薬物療法を施行し、冬眠心筋に対する薬物の作用機序や心筋血流、代謝に与える影響を、再度同様のプロトコールでPETを行い、治療前と比較検討する。 【今年度の実施結果及び今後の展開】 上記の研究目的に従い臨床研究を施行、今年度は虚血性心疾患14症例を登録、下記の結果を得た。 1.臨床的に冬眠心筋の存在が証明された(冠血行再建術により心室壁運動が改善した)虚血性心疾患例では、同部位の安静時MBFやMPRは低下しているが、PTFは保たれていた。 2.冬眠心筋の糖代謝は保持されている傾向を示したが、耐糖能障害例では判定困難な症例も存在し、検査条件の最適化に対する検討や正確な定量評価が必要と考えられた。脂肪酸代謝を同時に評価することにより、冬眠心筋の代謝特性の一部が明らかにできる可能性があると考えられる(未発表)。 3.現在上記登録症例に対し長期薬物療法を施行中であるが、6-12ヶ月後に同条件で再度PET studyを行い、薬物療法が冬眠心筋に与える影響を比較検討する予定である。
|