1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07770894
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
高橋 映子 北里大学, 医学部, 助手 (50265708)
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Keywords | Heymann nephritis / anti-gp 700 antibody / ET12 / megaline |
Research Abstract |
1.単クローン抗体作製と単クローン抗体の分析 ラット形質細胞株Y3と腎糸球体蛋白(GLP)を免役して、active Heymann腎炎(HN)を誘導したLOUラット脾細胞をpolythyleneglycolを用いて細胞融合させた。抗体のスクリーニングは、GLPを抗原とした固相法Radio immunoassay法にて行い、陽性クローンを選択した。この単クローン抗体をET12と名付けた。ET12の認識抗原の分子量は700kDで、HN抗原に特異的に結合する単クローン抗体であることが判明した。またIgGアイソタイプは、IgG2a,κであった。 2.腎炎誘導 正常ラット腎での認識抗原分布と腎炎惹起能について検討した。ET12を正常ラットに静注し、HNに一致する組織変化が得られた。しかし蛋白尿は、20mg/day以下であった。 3.アミノ酸分析 現在ET12をプロモシアン法にてアミノ酸配列を分析中である。 4.今後の方針 ヒト特発性膜性腎症によく類似した実験腎炎モデルHNでは、病因抗原は尿細管刷子縁と糸球体上皮細胞に存在し、700kDaの糖蛋白(gp700)、gp440、gp330の3種が関与していると考えられている。最近gp330の完全一次構造が明らかとなり(megalinと命名)、予想分子量約52万と推定された。我々は、HN抗原(gp700)に対するモノクローナル抗体ET12を作製したが、現在アミノ酸分析の結果からmegalinと同一の可能性が示唆された。現時点では、megalinのみで腎炎を発症することはできないが、megalinは責任抗原であり我々の作製したET12は発症機序を明らかにする糸口になると思われる。さらに解析を進めていきたい。 今までに得られた結果は、第38回日本腎臓学会学術総会にて口演報告した。
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