1995 Fiscal Year Annual Research Report
心筋梗塞の動脈圧受容体反射機能に与える影響(高血圧症における検討)
Project/Area Number |
07770896
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
市川 雅 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20203094)
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Keywords | 食塩 / 高血圧 / 心筋梗塞 / 動脈圧受容体反射 / アンジオテンシンII |
Research Abstract |
ダール食塩感受性ラットに、高塩分食(4%NaCl)を8週間投与したとろ,血圧の上昇を認めた.このラットにアンジオテンシンIIタイプ1受容体拮抗薬(E4177)を静脈内に投与したが,平均血圧(145±5mmHgより144±5mmHg),心拍数(394±18bpmより399±17bpm)および腎交感神経活動(100±0%より97±5%)に有意な変化はみられなかった.さらに,心拍数を指標とした動脈圧受容体反射の感受性に関してもE4177投与は有意な変化をもたらさなかった(1.6±0.1bpm/mmHgより1.7±0.2bpm/mmHg).アンジオテンシンI変換酵素阻害薬(cilazaprilat)をこのラットに静脈内投与しても,平均血圧(146±5mmHgより143±4mmHg),心拍数(391±30bpmより384±22bpm),心拍数を指標とした動脈圧受容体反射の感受性(1.5±0.1bpm/mmHg)は変化しなかった.ダール食塩感受性ラットに、高塩分食(4%NaCl)を4週間投与した後に心筋梗塞を作成したところ,ラットは1匹を除いて全て死亡した. 以上の通り,ダール食塩感受性ラットにおける食塩負荷による高血圧症においては,アンジオテンシンIIは血圧,心拍数および動脈圧受容体反射の感受性の調節に関与しないこと,食塩負荷による高血圧症に心筋梗塞を合併すると予後が極めて不良であることが示唆された.
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