1995 Fiscal Year Annual Research Report
人血小板におけるADP刺激による細胞内Ca2+濃度上昇に対するPlasminの効果
Project/Area Number |
07770904
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
中村 宏二 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60221454)
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Keywords | 人血小板 / ADP / Plasmin / Calcium / Tyrosine kinase |
Research Abstract |
人血小板を用いて、PlasminとADP(Adenosine diphosphate)の相互作用を検討した。人血小板を1CU/mlのPlasminにて前処置した後に50μMのADPを加えるとADP刺激による細胞内Ca濃度のpeakは、Ca(+)bufferにて150nMから200nMに増強された。刺激剤の投与順序を逆にしても同様の増強作用が認められた。これらの増強作用は、Ca(-)bufferでは減弱しており、Mn entry法にて細胞外Caの流入が増加していた。また、上記と同条件にて血小板凝集能も測定し、PlasminとADPの増強作用が認められた。これらの増強作用は、700μMのGPIIb/IIIa fibrinogen receptor blocker(RGDS peptide)にて減弱された。これらのことより、ADPとPlasminの増強作用は、GPIIb/IIIaを介する細胞内伝達機構が働いていることが示唆された。このreceptorは、fibrinogenを架橋とする血小板凝集に重要な役割を果たしていると考えられた。また、この相乗作用が細胞内Caの流出低下によるものでないことを確かめるために、^<22>Naを用いてNa-K ATPase活性を測定したがpump活性の低下は認められなかった。Tyrosine kinaseとの関連は、現在検討中であるが、Genistein(Tyrosine kinase inhibitor)にて前述の相乗作用が抑制される傾向がみられている。最終的には、Western blot法にて確認する予定である。
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