1995 Fiscal Year Annual Research Report
経大腿動脈的血管内操作による腹部大動脈腸骨動脈瘤手術は可能か
Project/Area Number |
07770963
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
平山 茂樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60256443)
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Keywords | 腹部大動脈瘤 / 血管内手術 / 人工血管 / 金属ステント |
Research Abstract |
Y字型人工血管の作成:6mmY字型グラフトの中枢側端および一側の脚にPalmazステントを6-0プローリンで縫着した。他側の脚には金属性のワイヤーを目印としてつけた。 腹部大動脈瘤モデル作成:雑種成犬(n=7)を全身麻酔下に開腹し、PTFE製の動脈瘤グラフトを腎動脈下腹部大動脈から両側総腸骨動脈に移植した。この人工血管はballoonであらかじめ拡張させておいたPTFEグラフトで、嚢状の膨らみを持ち、動脈瘤モデルとなる。動脈瘤作成手術後に血管造影を施行した結果、全例において目的とする動脈瘤が作製できた。 腹部大動脈瘤血管内治療:動脈瘤作成手術後、1例が人工血管の感染、1例が水腎症で死亡した。手術後4週間の時点で、両側大腿動脈を露出し、12Frのシースを挿入した。Y字型グラフトのステント内に10mmのバルーンを挿入し、これを10Frのシース内に納めた。右大腿動脈のシースより本装置を挿入しX線透視下に腎動脈下大動脈に位置させ、同部でバルーンを膨張させることにより人工血管を所定の位置に固定した。この操作は5例全例に成功した。次に右腸骨動脈のステントの固定を施行したが、2例において、バルーンをステント内に挿入することができなかった。最後に、左大腿動脈からステント付バルーンを挿入し、Y字グラフト左脚を固定した。この操作では、2例において左脚の位置を(金属性ワイヤー)確認することができなかったために失敗した。残る1例において、左脚の固定を行うことができた。この症例では、血管造影にて、動脈瘤が血流から排除されていることが確認された。手術成功率は20%であった。本実験により、このシステムによる実験的動脈瘤治療の可能性示されたが、さらに成功率を高めるには装置の縮小化、簡略化が必要である。
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