1995 Fiscal Year Annual Research Report
経皮経肝門脈枝塞栓術の人肝細胞増殖因子発現効果と肝機能への影響に関する研究
Project/Area Number |
07770988
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
岡田 節雄 香川医科大学, 医学部, 助手 (50253274)
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Keywords | 経皮経肝門脈枝塞栓術 / 人肝細胞増殖因子 / 肝再生 / 門脈循環動態 / 右葉広範肝切除 |
Research Abstract |
門脈右枝のPTPE前後のhHGF(ng/ml)の変動は、硬変肝で前値が0.432±0.101、1時間目が1.190±0.235と最初のピークを迎え、一旦低下後さらに1日目に0.777±0.157と二度目のピークを迎え、以後漸減した。非硬変肝でも硬変肝同様のhHGFの変動パターンを示し、前値が0.292±0.103、1時間目が0.832±0.275、一旦低下後1日目に0.622±0.142と再上昇し、以後漸減した。肝左葉の体積は、PTPE後14日目でPTPE前に比し硬変肝が1.21±0.16倍に、非硬変肝が1.24±0.13倍と成った。ICGR_<15>(%)の変化は、硬変肝でPTPE前が16.7±4.3、PTPE後5日目が27.3±4.7、14日目が22.1±4.0であり、非硬変肝では前値が10.1±2.9、PTPE後5日目が17.8±5.0、14日目が13.6±3.4と両群ともPTPE後5日目に比し14日目には改善傾向がみられた。RBPの変動は両群ともPTPE後5日目が最低値となり、硬変肝が前値の61%、非硬変肝が52%にまで低下した後、改善傾向を示し、21日目には両群とも前値の90%にまで回復した。PTPE前後における血清GPT、HPTの変動では両群ともPTPE後14日目には改善傾向が認められた。門脈圧(cm H_2O)の変化は、硬変肝でPTPE前が19±3、PTPE後が24±3、肝切前が25±3、肝切後が27±4であり、非硬変肝ではPTPE前が11±2、PTPE後が17±5、肝切前が17±2、肝切後が19±2であった。門脈血流量はPTPE前値を1とすると、硬変肝ではPTPE直後が1.10±0.02、5日目が1.10±0.02、14日目が1.10±0.01、肝切後が1.12±0.02であり、非硬変肝ではPTPE直後が1.20±0.04、5日目が1.20±0.05、14日目が1.21±0.04、肝切後が1.24±0.07と両群ともPTPE前後での変化が著しく、この傾向は非硬変肝でより顕著であったが、両群とも肝切前後での変化には乏しかった。以上より門脈右枝の術前PTPEによって、hHGFはその発現を誘導され、14日目の肝左葉の肥大は硬変肝で1.21倍、非硬変肝で1.24倍となり、ICGR_<15>は両群とも5日目に比し14日目には改善し、RBPも21日目には前値の90%にまで改善した。さらにPTPEは、門脈循環動態を肝切後状態へ誘導し、肝切前後における門脈循環動態の変動を軽減する事ができた。PTPE後の右葉広範肝切除の至適手術時期は、PTPE後2〜3週間目頃である事も示唆された。
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Research Products
(1 results)