1995 Fiscal Year Annual Research Report
揮発性麻酔薬による培養心筋細胞モデルでの心筋保護効果の解析
Project/Area Number |
07771047
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
河内 秀幸 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (10264764)
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Keywords | 培養心筋細胞 / 揮発性麻酔薬 / 心筋保護 / enflurame |
Research Abstract |
本研究にはラット培養心筋細胞モデルを使用した。生後2日から4日のWistar系ラットの新生仔をい、心室筋を採取し、酵素・遠沈法で心筋単離細胞を得た。得られた心筋細胞を一定密度となるよにCO_2インキュベータ-中で培養した。培養にはフィブロネクチンをコーティングした容器に、MCDB 107にinsulin、transferin、2%FCSを加えた培地を用いた。 培養4日の拍動数が100bpm以上で、拍動状態が安定した細胞シートを検体として用い、常温保存群(N群;37℃:5%CO_2+95%air)、中等温保存群(M群;20℃:5%CO_2+95%air)、低温保存群(L群;4℃:100%air)の3群に大別した。各群は対照グループ、揮発性麻酔薬として1%enflurane添加グループ、5%enflurane添加グループで比較検討を行った。 N群では対照グループの1時間、4時間保存の細胞シート拍動回復率は100%であった。1%enflurane添加グループの1時間保存では細胞シート拍動がirregularとなり、拍動回復率は90〜95%に減少た。しかし、4時間後には各々細胞シート拍動は以前と同じくregularとなり、拍動回復率は100%となった。5%enflurane添加グループでは1時間後も4時間後も細胞シート拍動は認めなかった。 またM群、L群については対照グループのデータのばらつきが多く、enflurane添加グループとの比較検討は不可能であった。 以上の結果から培養心筋細胞モデルでの揮発性麻酔薬の作用は、低濃度であれば細胞拍動を抑制ることで心筋細胞の酸素エネルギー消費を減少させる可能性があり、心筋保護効果との関連性が示された。しかし、揮発性麻酔薬が高濃度であれば心筋細胞の拍動を不可逆的に抑制するものと考えれた。
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