1995 Fiscal Year Annual Research Report
保存大動脈弁(ホモグラフト)の感染耐性に関する研究
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07771063
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
華山 直二 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20256564)
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Keywords | ホモグラフト / 抗感染性 / 4℃保存血管 / 凍結保存血管 |
Research Abstract |
保存大動脈弁(ホモグラフト)の感染耐性に関する研究の一環として、今回はホモグラフトの抗感染性と保存方法との関連性を探るため、ラット保存大動脈を用いた以下の実験を行った。 保存方法 (1)ラットの胸部大動脈を、4℃の混合抗生剤溶液中に24時間浸漬保存する。(2)(1)の保存血管を199液体培地に移し、保存法により以下の5群を作成した。A群:4℃1週間保存、B群:同2週間、C群:同3週間、D群:同4週間以上、E群:-80℃4週間以上凍結保存、対照群:摘出直後の新鮮血管実験1:保存血管のStr.viridansに対する抗菌性をdisc testを用いて比較検討した。 (1)各群保存血管を約5mm切り出し、Str.viridans菌液を均一に塗布した培地上にのせ、37℃16時間培養する。(2)形成された阻止円の直径を計測し、各群比較検討する。 実験2:保存血管のStr.viridansに対する抗菌性を、ラットの腹腔内ホモグラフト移植モデルを用いてin vivioに検討した。 (1)ラットの腹部大動脈にB,D,E,群の保存血管をそれぞれ端側吻合する。(2)移植翌日から3日間連続で、実験1で用いた菌液約3mlを腹腔内投与する。(3)投与終了翌日に移植血管を摘出し、37℃24時間細菌培養を行う。 結果 実験1 C,D群においてA,B,E,群よりも、統計学的な有意差をもって阻止円の形成が小さかった。実験2今回移植したB,D,E群のうちD群においてのみStr.viridansの感染を認めた。 結論 1.ラット保存大動脈のStr.viridansに対する抗菌性は、4℃低温保存下で3週間以上経過すると減弱する傾向がみられた。 2.凍結保存血管の同菌に対する抗菌性は長期間維持されていた。 3.ホモグラフトの抗感染性は、4℃低温保存では保存期間が延びるにつれて減弱し、凍結保存では長期にわたって維持されている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)